1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671338
|
Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
石川 博通 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60112679)
|
Keywords | 精子凍結 / 凍結備蓄 / 液体チッソ蒸気凍結法 |
Research Abstract |
1.凍結前に精子Phosphodi est erase阻害剤ペントキシフィリン、細胞浸透性cAMP誘導体ジブチルcAMPと短時間培養し、細胞内cAMP濃度を上昇させた後に凍結保存を行うことにより凍結融解後の精子蘇生率を向上させることができた。精子凍結保存液に凍害防止剤として添加されるグリセリンは凍結時には不可欠であるが、非凍結時にはその高浸透圧は精子に有害であり、本研究で用いたKS-ll精子保存液(12%グリセリン含有)と精子を混合後、1分以内に凍結を開始すると高い蘇生率が得られ、また融解後は速やかに凍結保護剤を洗浄除去すべきであった。 2.逆行性射精例においては、膀胱中の尿による精子生存性の低下を避けるため、事前に膀胱洗浄を行い、培養液約50mlを注入した後に射精させた。しかし射精にてまどり膀胱中に尿が再流入すると精子生存性の低下を認め、培養液中に1.0mMペントキシフィリンを添加することにより精子の尿に対する抵抗性を強化し得た。 3.閉塞性無精子症例に対して人工精液瘤を造設し、週に2回程度穿刺して貯留した精子を回収、凍結保存することにより人工的な授精に必要な精子を確保し得た。しかし症例により融解後の精子蘇生率に大きな差を認めた。
|