1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671340
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
池本 庸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40159645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御厨 裕治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20174005)
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Keywords | アルコール / 精巣障害 / 造精能 / テストステロン / アルコール脱水素酵素 |
Research Abstract |
これまでのアルコール性精巣障害に関する研究は精巣間質機能を中心に検討報告され、造精機能(精細管機能)に対するアルコールによる障害の有無、その機序について検討した報告は殆ど認められない。そこで実験動物を用いたアルコール性造精機能障害のモデル実験を行った。即ちアルコールを飼料総カロリーの46%含有する合成液体飼料でラットを飼育、実験的アルコール性精巣障害モデルを作成した。その結果すでに、アルコール性精巣障害の成立には三大栄養素の組成とアルコールの濃度が重要な要素であることが明らかとなった。またその障害は精巣間質と精巣管の両方に起こること、さらに精細管障害の主体はSertoli細胞と精巣管壁であると考えられた。平成7年度での実験では、これらの精巣障害に伴う内分泌学的変動を観察し、精巣間質障害と造精機能障害(精細管障害)がどのように関連しているかを検討した。 その結果6週間の処置後得られたラット血清テストステロン値はアルコール群で対照群より有意に低下していた。しかも6週間後の血清LH値は有意な変動を示さず、血清FSH値はアルコール群で有意な上昇を示した。これらの変動は精巣間質障害はアルコールによる直接的障害によるのと同様に精細管障害も下垂体を介するもの間接的なものでなく、また間質障害によるテストステロン低下が導く間接的障害でもないこと、すなわち精細管障害もまたアルコールによる直接的障害であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)