1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671344
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
大島 一寛 福岡大学, 医学部, 助教授 (30078795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 弘文 福岡大学, 医学部, 助手
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Keywords | 逆流性腎症 / 腎機能予備力 / ドーパミン負荷試験 / 糸球体肥大と硬化 / 尿蛋白 |
Research Abstract |
従来腎機能の指標として^<99m>Tc-DTRA-GFRを使用してきたが、本研究にあたってチオ硫酸ナトリュウムクリアランスとの相関をみた。相関係数はR=0.88で直線関係にあった。^<99m>Tc-DTPA-GFR値は測定時の患者の条件によりばらつきが大きく、腎機能の正確な評価法として疑問視する意見が多いが、術前から水バランス(腎血流)を安定させることが重要と考えられた。 逆流性腎症における腎機能予備力を検討する目的で、Dopamine負荷前後のチオ硫酸ナトリュウムクリアランス(GFR)、パラアミノ馬尿酸クリアランス(RPF)および濾過率(F.F)を測定した(11名、正常者3名)。症例が少なく今年度結論は出し得ないが、糸球体の肥大症例でGFR,RPF値の増加を見られない傾向にあった。F.Fは腎機能障害の高度な症例では低下しているが、負荷後には増加する傾向が見られた。 これらの測定値と糸球体サイズ、糸球体硬化指数、血清クレアチニン、尿蛋白との関係は今年度は結論を出し得なかった。引き続き検討の予定である。 今年度生検症例の中に典型的なfocalsegmental glomerulosclerosisを経験した。これまでの一連の検討から、逆流性腎症では正常糸球体の減少により残存糸球体に負荷(糸球体の肥大が出現)が生じ、蛋白尿の出現、糸球体の硬化萎縮へと進展し、腎不全に至るものと考えられる。
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