1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00241597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田勢 亨 東北大学, 医学部, 講師 (50179701)
佐藤 信二 東北大学, 医学部, 講師 (10142960)
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Keywords | HPV / 血清 / 免疫グロブリン / 16型 |
Research Abstract |
正常人の血清、男女各100人づつ計200人を宮城県赤十字血液センターの協力で収集した。またHPV16型のプラスミッドDNAからE7とL2領域のDNA断片を発現ベクターに組み込むことに成功した。さらにそのベクターを大腸菌にトランスフォームして融合蛋白を発現させた。これをウエスタンブロット法の抗原として使用し、収集した正常人血清あるいは以前より収集保存していた子宮頸癌血清と反応させた。その結果正常人ではE7抗体陽性率が5%、L2抗体陽性率が9%であった。年齢別あるいは男女別の抗体保有率の差は認められなかった。一方、子宮頸癌患者ではE7抗体陽性が18%、L2抗体陽性が32%で、それぞれ正常群より有為に高率であることが判明した。E7抗体に関しては同様な報告がすでになされているが、L2抗体に関してこのように子宮頸癌で高頻度に検出されるという成績は初めてのものである。これは子宮頸癌発生の過程で患者がHPV感染に一度はさらされ、患者の免疫反応を起こすことを示している。 以上の実験結果により、組織DNAからのHPV・DNAのクローニング、蛋白発現、ウエスタンブロットなどが十分実行可能であることが確認できた。さらに癌組織からのDNA抽出がほぼ全例終了した。一方、癌組織中にHPV・DNAが存在するかどうかを知るために、HPV各型を検出できるコンセンサス・プライマーを作成し、予備実験を終了した。このプライマーを用いて、癌組織由来DNAをスクリーニング中である。
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