1993 Fiscal Year Annual Research Report
産婦人科領域における副甲状腺ホルモン関連蛋白の役割に関する研究
Project/Area Number |
05671355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 賢朗 東京大学, 医学部(分), 講師 (00185878)
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Keywords | PTHrP / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
婦人科悪性腫瘍患者血清、腫瘍内容液、腹水中のC-PTHrP測定し、悪性腫瘍がPTHrPを産生しているか、あるいは腫瘍マーカーとして有用であるかについて検討した。 一般にPTHrPは高Ca血症を引き起こす物質として知られているが、高Ca血症を伴わない悪性腫瘍組織中あるいは患者血清中にも高値で検出されることがあると指摘されている。今回は、正常Ca値の患者を対象に測定した。 正常コントロール;45例、悪性あるいは良性腫瘍の手術前の患者あるいは再発悪性腫瘍患者(悪性卵巣腫瘍;17例、子宮頚癌;13例、子宮体癌;7例、良性子宮腫瘍;12例、ジュウ毛性疾患;3例)、手術時腹水;2例、腫瘍内容液;5例を採取した。検体中のPTHrPはC端に対する抗体を用いたRIAにより測定した。 結果:血清中のC-PTHrP値: 正常コントロール 26. 7±8. 35pmol/L(M+SD,以下同様) 悪性卵巣腫瘍 33. 1±8. 56,p<0.01 vs cont. 子宮体癌 30. 7±9. 45,ns .子宮頚癌 33. 4±10. 83,p<0.01vs cont ジュウ毛性疾患 29. 5±6. 49,ns 良性卵巣腫瘍 32. 4±8. 01,p<0.05vs cont. 良性子宮腫瘍 28. 8+12. 39,ns であった。カットオフ値を正常コントロールのM+2SD以上とすると。高値例はそれぞれ、11%、15%、14%、0%、14%、0%に見られた。 また、腫瘍内溶液中のC-PTHrP値は54.5+30.33(M+SD)であり同上のカットオフ値を用いると、2例に高値を認めた。 腹水中のC-PTHrP値は1例が718pmol/Lと高値であった。
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