1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671357
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
新居 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (90111492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 敏啓 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80176479)
副田 善勝 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40216578)
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Keywords | 好中球 / 正常妊婦 / ロイコトリエンB_4 / アラキドン酸 / カルシウムイオノフォア |
Research Abstract |
(1)好中球の末梢血よりの分離条件を設定した。(2)Caionophoreによるインキュベーション刺激実験の条件を検討し設定した。(3)そのうえで、インキュベーションMedium中に放出されたLTB_4およびその代謝産物(ω酸化物、以下ω-LTB_4)をHPLCにて測定した。 研究結果-1:定められた条件下において好中球10^7個あたりのLTB_4の産生量はLTB_4単独では非妊健常婦人、妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期婦人のあいだに有意な変化は認められなかった。 研究結果-2:しかし、総LTB_4(LTB_4+ω-LTB_4)でみると妊娠中期および妊娠末期婦人において明らかな産生量の低下を認めた。この現象は白血球機能を抑制することにより妊娠中に発生しやすい病態の発現をふせぐ生体の防御機構の一つであると考えている。 研究結果-3:このLTB_4の産生量の低下の機序について検討するため、LTB_4の細胞内の基質である細胞膜アラキドン酸の含有量を妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期婦人の好中球で検討した。先の実験と同様に分離した好中球の膜脂質をガスクロマトグラフィーにて分析したところ妊娠中期、妊娠末期婦人においてアラキドン酸の含有量の割合が低下していることが示された。この事実は、妊娠後半期におけるLTB_4の産生量の低下の機序を説明する要因の一つである可能性があると考えられる。
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