1993 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法による婦人科腫瘍のクロナリティ解析に関する研究
Project/Area Number |
05671368
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤田 益臣 大阪大学, 医学部, 助手 (60226074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
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Keywords | クロナリティ / PGK遺伝子 / 婦人科癌 / PCR / RFLP |
Research Abstract |
婦人科癌のクロナリティ解析のため、X染色体上のPhosphoglycerokinase(PGK)geneにおける多型性に注目し、PCR法ならびにメチル化部位に感受性をもつHpaIIとBstXIに対する感受性を組み合わせた実験手法を開発した。1991年3月より1993年6月までに手術を施行し組織学的診断が確認されている婦人科癌51例(子宮頸癌18例、子宮内膜癌22例、卵巣癌11例)を対象として検討し、以下の成績を得た。 1.PGK遺伝子におけるBstXIのヘテロ接合型をもつ症例は婦人科癌51例中25例に認められた。 2.クロナリティ解析を行った子宮頸癌4例、子宮内膜癌10例、卵巣癌6例においては正常組織のDNAのバンドはHpaII前処理の有無にかかわらず530bpと433bpの2本のフラグメントが検出されたが、腫瘍組織DNAではHpaII処理により530bpまたは433bpのいずれか1本のバンドのみが検出された。 3.20例の癌組織において検出された1本のバンドpatternは530bpが15例、433bpが5例であった。 4.同一腫瘍組織内の異なった個所より採取した組織間の比較、原発巣と転移巣との比較の結果、腫瘍組織DNAではいずれも同一のpatternのバンドが検出された。 以上の結果より、子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌はすべて単一クローン由来であると考えられた。本法はPCR法を用いるため極少量の試料でも解析可能であり、組織学的確認を行っているため正確に腫瘍のクロナリティ解析が行いうる良い方法と考えられた。
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