1994 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-I胎内感染と胎盤、胎児の感染防御機構の解析
Project/Area Number |
05671383
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤野 敏則 鹿児島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90165407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋敷 伸治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40182315)
永田 行博 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30038806)
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Keywords | HTLV-I / 胎内感染 / 感染防御 / 胎盤 / 胎児 |
Research Abstract |
HTLV-I seropositiveの妊婦が娩出した胎盤では臍帯血に比べ,明らかに高頻度でHTLV-Iの感染がみられることより,胎児・胎盤の感染防御作用に着目し,以下の実験を行った。 HTLV-I- seropositiveの妊婦14例より臍帯血10mlを採取し,得られたリンパ球にEpstein-Barr virus(EBV)を加え,transformしてえられた培養上清中の抗HTLV-I IgM抗体の有無をMT-2細胞(HTLV-I感染リンパ球)を標的としたImmunocytochemistryでスクリーニングし,positiveであった培養上清はさらにWestern blot法(Fujirebio社:プロブロットHTLV-I,エ-ザイ社:エイテストATL-WB)にてそれらIgM抗体の対応抗原を調べた。その結果; (1)臍帯血14例中7例で良好なEBV transformationが得られ,その7例中4例においてMT-2細胞と反応するヒトIgM抗体を含んだ培養上清がそれぞれ、2/24,6/15,9/24,21/24ウェル得られた。 (2)Western blot法にて,それらMT-2細胞に反応した培養上清のヒトIgM抗体の対応抗原を調べたところ,1例(4ウェル)でHTLV-Iのp-19蛋白に相当する部位にバンドが認められた。 以上のことより,胎児へのHTLV-I感染を胎児自身が防御している機序の存在が示唆された。 しかしながら,同様のことを4例のHTLV-I- seronegativeの妊婦の臍帯血で行ったところ,2例でHTLV-Iのp-19蛋白に相当する部位にバンドが認められた。従って,HTLV-I- seropositiveの臍帯血リンパ球をtransformして得られたHTLV-1 p-19蛋白に対する抗体は,HTLV-I感染に特異的なものではなく,HTLV-I感染の有無に関わらず,臍帯血リンパ球にはHTLV-I p-19蛋白と関連した抗原に反応するクローンが存在するということを示している可能性も示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Fujino: "Humoral defence mechanism of fetus against human T- lymphotropic virus type I" Proceedings of the 8th Annual Meeting of Japan Society for Immunology of Reproduction. 124-125 (1994)
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[Publications] 藤野敏則: "胎盤絨毛細胞を経由したHTLV-I母児感染" HTLV-I母児感染研究論文集. 6. 14-15 (1994)