1994 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌の発生の伴うフコシル化糖鎖発現異常の機序とその役割に関する研究
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05671399
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
塚崎 克己 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40118972)
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Keywords | 子宮体癌 / 複合糖質 / 発現異常 / 糖転移酵素 / モノクローナル抗体 / 転移 |
Research Abstract |
本研究では、1.体内膜細胞の癌化に伴うフコース転移酵素(FT)の量的および質的変化に関する解析 2.体癌細胞の転移に果たすフコシル化糖鎖の役割の解明の達成を目的とし、平成6年度の研究において以下の成績を得た。 1.正常子宮内膜8例、体癌組織14例についてα1-2、α1-3、α1-4FT活性を測定した所、体癌組織ではすべてのFT活性が有意に増加している事が判明した。さらに、高分化型体癌由来培養細胞株SNG-IIを体癌に特異的なフコシル化糖鎖であるMSN-1認識抗原(主としてLewis^b型糖鎖)の有無により2つの亜株に分別し、各々のFT活性を測定した結果、MSN-1認識抗原を強く発現する細胞(SNG-S)では、ほんとんど発現しない細胞(SNG-W)に比べα1-4FT活性が著明に増加していた。以上より、体癌におけるフコシル化糖鎖の発現異常が、フコース転移酵素活性の支配をうけている事、中でもα1-4FT活性の変化が極めて重要な役割を果している事が強く示唆された。 2.SNG-S細胞とSNG-W細胞の組織接着能を、ヒト子宮及びリンパ節組織AMeX包埋切片に対するin situ adhesi on assayを用いて検討した所、SNG-WはSNG-Sに比べ約10倍の高い接着能を有する事、しかもその接着は、MSN-1認識抗原の前駆糖鎖(H型糖鎖)に対するモノクローナル抗体により濃度依存症に阻害される事が判明した。同様の結果が、ヌードマウスを用いた両細胞の尾静注及び正所性移植による肺転移モデルでも確認された。以上より、体癌細胞の組織接着、転移能に、フコシル化糖鎖のひとつであるMSN-1認識抗原の前駆糖鎖が密接な関連を有する事が明かとなった。しかもこの前駆糖鎖の発現は、α1-4活性の支配を受けている事が示唆され、体癌の高転移能獲得の機序を解明する上でも、興味ある結果であると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaneyuki Kubushiro et al: "Enzymatic basis for the Accumulation of Lewis^b Antigen in Uterine Endometrial Cancers" Japanese Journal of Cancer Research. 86(in press). (1995)
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[Publications] 久布白兼行,他: "子宮体癌におけるMSN-1認識抗原の組織接着、ならびに転移に与えられる影響" 日本産科婦人科学会雑誌. 47. 163-164 (1995)
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[Publications] KANEYUKI KUBOSHIRO,et al: "Expression mechanism of human uterine endometrial cancer-specific fucosylated carbohydrate chains: aberrantα1→4fucosyltransferases in uterine endometrial cancer-derived cell lines with type I carbohydrate chain" INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY. 6. 93-97 (1995)
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[Publications] 塚崎克己: "子宮体癌の発生に伴う複合糖質発現異常に関する基礎的研究とその臨床へのフィードバック" 日本産科婦人科学会雑誌. 45. 789-801 (1993)
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[Publications] Arnold M. Schwartz,et al: "Use of monoclonal antibodies MSN-1 and B72.3 in the prediction of the natural history of endometrial hyperplasia" Int.J.Gynecol.Pathol. 12. 253-258 (1993)
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[Publications] Katsumi Tsukazaki: "Abnormal Expression of Blood Group-related Antigens in Uterine Endometrial Cancers" Japanese Journal of Cancer Research. 82. 934-941 (1991)