1995 Fiscal Year Annual Research Report
胎児外科的に作製された無嗅脳症マウスの脳形態形成異常
Project/Area Number |
05671410
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Prefectural Colony |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発達障害研究所・形態学部, 室長 (20113326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
慶野 裕美 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発達障害研究所・形態学部, 技術専門員
|
Keywords | 胎児外科 / レーザー / 無嗅脳症 / アポトーシス / Pdnマウス |
Research Abstract |
無嗅脳症では、しばしば、嗅球欠損と脳梁欠損が合併することが報告されてきた。また、我々が系統維持している遺伝性多脂症/無嗅脳症マウス(Pdn/Pdn)の脳でも、嗅球欠損の他、脳梁欠損、前交連欠損、水頭症などを合併する。そこで、嗅球が欠損することと脳梁欠損を代表とする脳の異常が独立して起きるものではなく、何らかのシークエンスを持っているのではないかと考え、そのシークエンスを解くことを本実験の目的としてきた。 嗅球に層構造を構築する僧帽細胞は、嗅神経線維とシナプスを形成する。Pdn/Pdnマウスでは、嗅神経線維が中枢神経系に接着せず、嗅球が欠損している、従って、僧帽細胞が欠損し、さらに嗅皮質である梨状葉皮質も欠損している。そこで、Pdn/Pdnマウスでは、嗅球欠損にともなって、僧帽細胞がどこへ行ったかを調べ、さらに、僧帽細胞の神経支配を受ける梨状葉皮質も調べた。また、正常マウス胎仔の嗅球原基をレーザー光で破壊し、僧帽細胞を消失させると梨状葉皮質が欠損するかどうかも調べた。 その結果、嗅神経線維が終脳に接着しないことが無嗅脳症発症の出発点で、嗅神経の支配を失った嗅球の僧帽細胞はアポトーシスを起こし、僧帽細胞の神経支配を失うと梨状葉皮質の前駆細胞はアポトーシスを起こして梨状葉皮質が形成されなかった。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Naruse, I. & Keino, H.: "Apoptosis in the developing CNS." Progr. Neurobiol.47. 135-155 (1995)
-
[Publications] Naruse, I. et al.: "Induction of arhinencephaly using fetal laser surgery exouteroinmice." Neurosci. Protocols.3:2. 1-11 (1995)
-
[Publications] Naruse, I. et al.: "The arrest of luteinizing hormone-releasing hormana neuronal migretion in the genetic arhineneephalic mouse embryos (Pdn/Pdn)" Deu. Brain Res.81. 178-184 (1994)
-
[Publications] Naruse, I. et al.: "Antibody against single-stranded DNA detects both programmed cell death and drug-induced apoptosis." Histochemistry. 101. 73-78 (1994)
-
[Publications] Keino, H., Masaki, S. & Naruse, I.: "Apoptotic degeneration in the arhinencephelic brain of the mouse mutant, Pdn/Pdn." Dew. Brain Res.78. 161-168 (1994)
-
[Publications] Naruse, I. & Keino, H.: "Induction of agenesis of the corpus callosum by the destruction of an lage of the olfactory bulb using fetal laser surgeryexoutero in mice." Dev. Brain Res.71. 69-74 (1993)
-
[Publications] 成瀬一郎: "臨床医のための医学発生学(分担)" 阿部敏明,倉繁隆信編,診断と治療社, 339 (1994)
-
[Publications] 成瀬一郎: "分子病理学-疾病の分子機構-(分担)" 杉山武敏編,文光堂, 589 (1993)