1993 Fiscal Year Annual Research Report
アクスティックライノメトリーによる鼻粘膜の腫脹と収縮機序の解明
Project/Area Number |
05671412
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
海野 徳二 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80073732)
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Keywords | アクスティックライノメトリー / 血管作動薬 / 拮抗剤 / 音響インピーダンス |
Research Abstract |
acoustic rhinometryによって鼻腔容積の変化を観察した。この装置は音響インピーダンスの変化から、一定間隔ごとに鼻腔断面積を計測できるので、それを定積分することにより、前部、中央部、後部の容積変化を評価する方法を確立した。 血管作動薬としてのphenylephrine,oxymetazoline,epinephrineを、スポンゲル片に浸して、下鼻甲介前端に50秒間貼布してから除去することによって適切な刺激を得ることができた。この方法を用いて、拮抗剤や局所麻酔剤の前処置も併せて観察した結果、粘膜を収縮させて容積を増大させるのは主としてα_1作用であり、α_2の影響は少ないこと、これらはそれぞれのレセプターを介しての直接作用であること、中央部や後部の粘膜収縮が遅れて始まるのは、線毛運動による薬剤粒子運搬に要する時間差によるものであろうことが明らかになった。 一側の鼻腔にこれらの薬剤を作用させた場合に、反対側では鼻腔容積の変化について逆向きの反応が観察されたが、lidocaineの前処置によって反対側の反応が消失することから、作用側鼻粘膜の知覚神経を介しての反射性反応であると推測された。 epinephrineでは、一旦は粘膜収縮性の変化が起きるが、20-30分後からは腫脹性になった。これはα_2拮抗剤のyohimbineで阻止され、α_2に関係した作用であることは分かったが、詳細については更に検討が必要である。 これらの成果は、平成5年6月の第15回世界耳鼻科会議(イスタンブール)のplanary session、同年10月の第12回ISIAN(ソウル)のsymposiumで発表した。論文は目下投稿準備中である。
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