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1993 Fiscal Year Annual Research Report

シスプラチンの急性および慢性耳毒性機序の解明に関する電気生理学的・生化学的研究

Research Project

Project/Area Number 05671421
Research Institution福井医科大学

Principal Investigator

斎藤 武久  福井医科大学, 医学部, 助教授 (10139769)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保 富隆  福井医科大学, 医学部, 助手 (20214992)
坂下 勤武  福井医科大学, 医学部, 助手 (10205742)
Keywordsシスプラチン / 耳毒性機序 / 電位依存性Ca^<2+>チャンネル / 代謝物 / 代謝酵素 / 単離外有毛細胞
Research Abstract

1、音受容機構の第一歩は音刺激によって外有毛細胞の機械電気変換チャンネルが開き、K^+の流入によって細胞が脱分極することにはじまり、脱分極の結果、細胞側壁にある電位依存性Ca^<2+>の流入が起こり、細胞運動が引き起こされることによって情報が伝えられていく。シスプラチンの急性毒性機序はこの機械電気変換チャンネルやCa^<2+>チャンネルを阻害することによると予想されるが、シスプラチンによる阻害作用を電気生理学的に調べた。その結果、モルモットの単離外有毛細胞をパッチクランプ法を用いて膜電流固定下に静止膜電位を測定し、シスプラチンを加えると過分極化されることが判明した。さらに外有毛細胞のK^+電流を抑制後、膜電位を-70mVに固定し脱分極電圧刺激を加えてCa^<2+>電流を記録すると、シスプラチンはCa^<2+>電流を抑制し、外有毛細胞の電位依存性Ca^<2+>チャンネルを阻害することが実証された。
2、急性毒性は細胞表面での現象で可逆的な反応であるので、細胞が死に至る慢性毒性機序は細胞内での代謝系障害が原因であると考えられる。また、薬物の反復投与によってシスプラチンの代謝酵素が誘導され、その結果作られる代謝物が細胞内代謝系を障害する可能性がある。そこでまず、フェノバルビタールをあらかじめ投与して代謝酵素を誘導したモルモットの肝臓の酵素分画を分離し、ここにシスプラチンを反応させて作ったシスプラチン代謝物を加えた培養液中で単離外有毛細胞を培養すると、生存率は有意に低下した。さらにシスプラチンを1.5mg/kgx10日間投与したモルモットの肝臓酵素分画を用いた場合にも、無処理モルモットから単離した外有毛細胞の生存率は有意に低下し、シスプラチン少量長期投与によっても肝代謝酵素が誘導されることが示唆された。以上より薬物投与によって肝臓内に代謝酵素が誘導され、その結果できる代謝物の耳毒性は強いということが証明された。

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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