1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671428
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 武 大阪大学, 医学部, 教授 (30107031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 勝美 大阪大学, 医学部, 助手 (40243224)
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Keywords | 人工内耳 / 動物モデル / 聴覚 / 可塑性 / FOS蛋白 / 情報伝達物質 / 電気刺激 |
Research Abstract |
成熟ラットにおいて、一側の耳を破壊し聾とした時の脳幹における細胞間および細胞内伝達物質の発現の変化を調べた。ニューロペプタイドであるエンケファリンの前駆物質であるプレプロエンケファリンのmRNA(PPE-mRNA)をin situ hybridization法にて測定した。その結果、手術側の前庭神経核、下オリーブ核において術後1-5日間mRNAの発現の増強がみられエンケファリンの産生が増加していることがわかった。しかし、蝸牛神経核、上オリーブ核における変化はみられなかった。次に、標的遺伝子に結合しその活性化を促進するFOS蛋白の発現を免疫組織化学法(ABC法)にて調べた。その結果、一側内耳破壊後2-5時間後に前庭神経内側核、舌下神経前位核においてFOS陽性細胞が多数発現することがわかった。これらの結果は、内耳破壊により聾となった動物では前庭系における変化は著明である反面、成熟動物の聴覚系においては可塑的変化がおこりにくいことを示している。以上の研究の結果は、Molecular Brain Res 19;237-240(1993)に発表した。現在、生直後よりカナマイシンを投与し両側聾とした動物において、一側の内耳電気刺激を続けており、FOS蛋白の発現を調べている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Saika T,Takeda N,Kiyama H,Kubo T,Tohyama M,Matsunaga T: "Changes in preproenkephalin mRNA after unilateral and bilateral labyrinthectomy in the rat medial vestibular nucleus" Molecular Brain Res. 19. 237-240 (1993)
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[Publications] 久保 武,大草 方子,渡辺 雄介,松永 亨: "人工内耳の臨床応用" ブレインサイエンス. 4. 107-110 (1993)
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[Publications] 白石 孝之,大草 方子,久保 武,渡辺 雄介,投石 保広: "人工内耳患者の二音弁別能と言語聴取能との関連" Audiology Japan. 36. 751-756 (1993)
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[Publications] 白石 孝之,大草 方子,中上 哲広,久保 武,投石 保広: "人工内耳患者における事象関連電位の測定" Audiology Japan. 36. 757-763 (1993)