1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671432
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
中谷 宏章 高知医科大学, 医学部, 助手 (60172334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 満 高知医科大学, 医学部, 助手 (10223364)
三浦 隆男 高知医科大学, 医学部, 助手 (60243838)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 逆行性顔面神経誘発電位 / 耳下腺管 / 中硬膜動脈 / 麻痺モデル動物 |
Research Abstract |
顔面神経麻痺の初期治療を適切に行うためには神経が変性する前に的確な障害度診断が必要となる。逆行性顔面神経誘発電位は現時点で顔面神経麻痺の障害度を最も早く判定する検査法であるが、検出が難しく臨床的には用いられていなかった。そこで本検査を臨床応用すべく記録の阻害因子について検討し、確実な記録法の開発を図った。また動物実験によって障害後の波形変化を観察し、異常反応と病理学的変化との対応をみた。 1.ヒトにおける記録 (1)記録機器:今回の実験のために購入した日本電気三栄社製SYNAX ER 100Sは、低ノイズ高感度アンプ及び種々のアーチファクト除去機能をもつ。この使用により神経活動電位の検出率が高まった。 (2)初期刺激雑音の軽減:経耳下腺管顔面刺激法により刺激電流値を抑え、かつ極性を変えた刺激の同数加算を行い刺激雑音を軽減した。これにより検出率が飛躍的に高まった。 (3)記録電位の増幅:記録電極に針電極を用い、これを鼓室内に設置することによって電位の増幅を図った。神経電位は約8倍増幅された。 (4)筋電図の消去:外耳道深部及び入口部で得られた波形の差導をとることによって筋電図を消去し、神経活動電位のみの記録が可能となった。 以上の操作によって正常例では9割以上の症例で反応を得ることに成功した。 2.動物実験 我々は、既に中硬膜動脈岩様部枝の血流遮断によってモルモットに顔面神経麻痺を作ることに成功している。この虚血性麻痺モデル動物の術前及び術後の経時的な波形変化を観察し、組織学的変化との対応を検討中である。
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