1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671454
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Research Institution | Tohoku university |
Principal Investigator |
山田 孝彦 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (40191316)
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Keywords | 網膜 / 網膜移植 / 網膜色素上皮細胞 / 視機能 / 硝子体手術 / 神経伝達物質 / 組織化学 / 形態 |
Research Abstract |
本年度は、光学顕微鏡、電子顕微鏡による通常の病理組織学的検索を加えて、神経伝達物質の免疫組織化学的検索を行なった。従来通り白色家兎眼を当科設備の硝子体手術装置を用いて手術を施行してモデルを作製した。人工的に裂孔原性網膜剥離を作製しておいて、網膜色素上皮細胞をシリコンブラシで傷害した後に次の二群にわけた。第一群は、そのまま網膜を復位させ、第二群は、別の有色家兎眼から採取した網膜色素上皮細胞を網膜下の網膜色素上皮細胞除去部に移植した後に網膜を復位させた移植群とした。手術後一定期間をおいて家兎の眼底を撮影した後、GABA,Glutamate,Glycineの3種の神経伝達物質の局在を免疫組織化学的手法を用いて調べた。その結果、網膜色素上皮細胞をシリコンブラシで傷害した領域において、移植した網膜としない網膜で神経伝達物質のGlycineに局在に差が認められた。GABA,Glutamateについては網膜色素上皮細胞の傷害眼でも局在に変化がなく、移植による差も見られなかった。Glycineの局在は正常眼では、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層に認められる。ところが、網膜色素上皮細胞をシリコンブラシで傷害した領域においては視細胞内節付近の網膜外層にもGlycineの局在を認め、網膜の障害を反映した異常な所見と考えられた。これに対して、網膜色素上皮細胞をシリコンブラシで傷害した領域の中でも網膜色素上皮細胞を網膜下に移植した部位の周囲では、この異常局在が見られなかった。これは、網膜の障害に対する網膜色素上皮細胞移植の保護的作用を示している可能性があり興味深い結果であった。これらを発展させて行けば、人間の疾患や病態においても、網膜移植を治療へ応用できるかもしれない。
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[Publications] 山田孝彦 他: "加齢黄斑変性症の12症例に対する硝子体手術による治療の試み" 臨床眼科. 48. 1236-1237 (1994)
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[Publications] 山田孝彦 他: "特異な経過をたどった裂孔原性網膜剥離の一例" 眼科臨床医報. 88. 1743-1746 (1994)
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[Publications] 君塚佳宏,山田孝彦 他: "網膜色素上皮修復に対するb-FGFの効果" 厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班平成5年度報告書. 44-46 (1994)
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[Publications] Yoshihiro Kimizuka,Takahiko Yamada et al: "Repair of damaged retinal pigment epithetial cells in the rabbit eye and effects of b-FGF" Investigatire ophthalimology & Visual science. 35. 1768- (1994)
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[Publications] Akiyo Shoji,Takahiko Yamada et al: "Abnormal localization of immunoreactive neurotransmitters in the experimental retinal degeneration" Investigative ophthalmology & Visual science. 35. 1956 (1994)
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[Publications] Takahiko Yamada et al: "Abnormal Localization of immunoreactive neurotransmitter in the artificially damaged retina and the effects of transplanted RPE" Investigative ophthalmology & Visual science. 36. 掲載予定 (1995)
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[Publications] 山田孝彦: "眼科New Insight.眼内血管新生疾患、老人性円板状黄斑変性症" メディカルビュー社, 111-118(8) (1994)