1993 Fiscal Year Annual Research Report
眼圧上昇機序に対する隅角内皮網細胞外物質およびシュレム管内皮細胞の関与
Project/Area Number |
05671468
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
布田 龍佑 熊本大学, 医学部, 助教授 (70040590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古吉 直彦 熊本大学, 医学部, 助手 (40219134)
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Keywords | 前房隅角部 / 内皮網 / シュレム管内皮細胞 / 培養角膜内皮細胞 / 静水圧負荷 / 巨大空胞 |
Research Abstract |
1.眼圧変化による前房隅角部の微細構造の変化 眼圧下降を目的とした手術を施行したリスザル眼の隅角組織を電顕にて観察中である。内皮網における細胞外物質およびシュレム管内壁内皮細胞の形態学的変化を、手術部と非手術部について観察し、コントロール眼との相違を比較検討中である。 2.培養細胞の圧負荷実験 まず、牛角膜内皮細胞の初代培養樹立のため、屠殺場より得られた牛眼をエタノール処理後、角膜を切り出してデスメ膜と共に角膜内皮を剥がし、デスメ膜-内皮片を用いたexoplant cultureした。培養液は15%牛胎児血清添加Eagle-MEM(抗生剤不含)を用いた。実験には、この初代培養細胞をEDTA/trypsin溶液で単離後、圧負荷用に工作した培養器内に播種し、連続した単層上皮として再構築したものを用いた。比較は全て同一の牛角膜内皮由来の娘細胞間同士で行った。実験は、incubator内に設置した培養器に水圧負荷用の接続チューブを結ぎ、静水圧を12cmから65cmH_2Oの範囲で負荷し、30分後に位相差顕微鏡で観察した。その結果、巨大空胞性の変化が圧負荷した全ての角膜内皮シートに認められ、圧負荷を行わなかったコントロールには見られなかった。巨大空胞性の変化は静水圧が高い程、数と大きさを増した。また、圧負荷解除後は巨大空胞性の変化は、完全に消失した。巨大空胞性変化の消失の速度は大きさによって差がみられ、小さなものは数分で、大きなものは数時間を要した。これらの観察の結果、巨大空胞性の変化は圧負荷による細胞の受動的な変化であることが明らかとなった。今後、画像解析装置を用いた巨大空胞性の変化の定量的検討や、電顕による詳細な観察および連続切片による巨大空胞の立体再構築などを検討の予定である。
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