1993 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原IRBPに対するT細胞性寛容(トレランス)の誘導機序の解析
Project/Area Number |
05671476
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
臼井 正彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074570)
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Keywords | トレランス / IRBP / ぶどう膜網膜炎 / 自己免疫病 |
Research Abstract |
我々は、BALB/cヌードマウスの眼球および松果体を摘出することにより生体内のIRBPを除去し、その後同系マウスの胎仔胸腺を移植することにより細胞性免疫能を獲得させると、免疫などの操作を加えることなく活性化状態にあるIRBP反応性T細胞を誘導することができることを認めた。そして今回、このマウス(OxPxTgヌードマウス)に関する研究において以下の結果を得た。 1、眼球のみを摘出後に同系マウスの胎仔胸腺移植を行ったBALB/cヌードマウス、および松果体のみを摘出後に同系マウスの胎仔胸腺移植を行ったBALB/cヌードマウスの脾細胞中には、活性化状態にあるIRBP反応性T細胞は認められなかった。 2、OxPxTgヌードマウスの脾細胞中のT細胞の比率、CD4/CD8、T細胞受容体(TCR)のVbeta鎖repertoireを観察したところ、正常マウスとの間に有意差と認められなかった。 3、活性化状態にあるIRBP反応性T細胞を有するOxPxTgヌードマウスの脾細胞を、無処置のBALB/cヌードマウスに5x10^6個および4x10^7個移入したが、ぶどう膜網膜炎の発症は認められなかった。 4、しかし、IRBPの強化免疫などの操作を加えることなく、OxPxTgヌードマウスの脾細胞からCD4陽性、IRBP特異的なT細胞株を樹立することに成功した。 今後はこのIRBP特異的T細胞株がどのようなVbeta鎖を使用しているのか、Th1細胞またはTh2細胞のどちらなのか、そしてぶどう膜網膜炎発症能があるかなどについて検討を加えていきたい。
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