1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原IRBPに対するT細胞性寛容(トレランス)の誘導機序の解析
Project/Area Number |
05671476
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Research Institution | Tokyo Medical College |
Principal Investigator |
臼井 正彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 大 東京医科大学, 医学部, 助手 (40260939)
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Keywords | IRBP / トレランス / ぶどう膜網膜炎 |
Research Abstract |
臓器特異的抗原 Interphotoreceptor Retinoid-Binding Protein(IRBP)は、松果体と眼のみに存在する臓器特異的抗原である。このIRBPをCFAとともにある種の動物に強化免疫すると、臓器特異的自己免疫病である自己免疫性ぶどう膜網膜炎および松果体炎の発症が認められる。しかし、強化免疫などの特別な処置をしないかぎり、IRBPに対する自己免疫トレランスは成立している。我々は、生体内に存在する臓器局在性自己抗原IRBPは、正常な状態では、臓器特異的自己免疫トレランスの成立に関与しているのではないかと考え、以下の検討を行った。4週齢のBALB/cヌードマウスの眼球および松果体を摘出することにより生体内のIRBPを除去し、その2週後に同系マウスの14週齢胎仔胸腺を腎被膜下に移植し、T細胞を成熟化したマウスを作成した(以下、OxPxTgヌードマウスと略す)。このOxPxTgヌードマウスにおけるT細胞は、その未熟から成熟にかけてのすべての段階において1度もIRBPと接触していないことになる。そしてこのOxPxTgヌードマウスのT細胞のIRBPに対する免疫反応を解析したところ、IRBPの強化免疫を行っていないにもかかわらず、リンパ球増殖反応、IL-2合成能が認められた。しかし、コントロールとして作成した眼球のみまたは松果体のみを摘出後に胎仔胸腺を腎被膜下に移植したBALB/cヌードマウスにおいてはこのような免疫反応は認められなかった。次に、このOxPxTgヌードマウスよりIRBP特異的T細胞株を樹立し、無処置のヌードマウスに養子移入したところ自己免疫性ぶどう膜網膜炎および自己免疫性松果体炎の発症が認められた。これらのことより我々は、臓器局在性自己抗原は臓器特異的自己免疫病の発症だけではなく、その発症抑制、臓器特異的自己免疫トレランスの成立にも関与していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 竹内 大: "ぶどう膜網膜炎自然発症マウスにおける眼球および松果体の単独あるいは.併合摘出による効果" 日本眼科学会雑誌. 98. 234-239 (1994)
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[Publications] M.Takeuchi: "IDENTIFICATION OF TWO DISTINCT TCELL IMMUNOGENIC DETERMINANT REGIONS IN INTERPHOTORECEPTCR RETINOID-BINDING PROTEIN(IRBP)" ADVANCES IN OCULAR IMMUNOLOGY. 75-78 (1994)