1994 Fiscal Year Annual Research Report
膵胆管合流異常の胆嚢粘膜に及ぼす影響についての研究
Project/Area Number |
05671489
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 喬廣 名古屋大学, 医学部, 教授 (10022899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岩 克正 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 膵胆管合流異常 / 細胞動態 / TGF-α / Cytokine / 胆嚢癌 / 胆汁酸 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
膵胆管合流異常(以下合流異常)は胆嚢癌の危険因子であり,前年度までに,ネコを用いた合流異常モデルにより癌発生母地として胆嚢上皮の細胞動態の亢進がみられることを明かにした。しかし,未だこの細胞動態の亢進が何によって調節されているか検討された報告はみられない。Transforming Growth Factor-α(TGFα)は胃,大腸,肝などの上皮細胞を増殖させる生理的なcytokineであり,胆嚢上皮の細胞増殖を亢進させる可能性があると考えられる。そこで,臨床例における合流異常の胆嚢粘膜におけるTGFαの発現を免疫組織学的に検討し,合流異常における胆嚢粘膜上皮の細胞回転の亢進と関係があるか検討した。結果,合流異常例においてTGFαは高い発現がみられた。また,TGFαは弱いながらも正常胆嚢においても発現がみられた。すなわち,TGFαは胆嚢においても生理的なcytokineであり,胆嚢上皮の細胞増殖を亢進させる機序としてTGFαが関与している可能性が高いことが示された。また,合流異常において胆嚢胆汁中胆汁酸が変化し,二次胆汁酸および遊離胆汁酸が増加することにより,胆嚢上皮に障害を与える可能性が臨床例から推測されている。そこで,われわれのネコモデルにおける胆嚢胆汁の胆汁酸の組成をHPLCをもちいて検討した。結果は胆汁中の胆汁酸分画は対照群がTCA68.9±5.94%,TCDCA8.65±4.72%,TDCA21.1±9.33%で,吻合群がTCA75.3±7.24%,TCDCA8.19±1.48%,TDCA10.8±1.12%であり,遊離胆汁酸も両群に有意差は認めなかった。よって,胆汁酸の関与する役割はほとんどないものと考えられた。
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