1993 Fiscal Year Annual Research Report
各種唾液腺腫瘍における細胞増殖能の形態学的ならびに数量的解析
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05671502
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二階 宏昌 広島大学, 歯学部, 教授 (60028735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 睦美 広島大学, 歯学部, 助手 (50169265)
高田 隆 広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / 細胞増殖能 / 予後 / PCNA / AgNOR / 鑑別診断 |
Research Abstract |
組織学的に多彩な像を示す唾液腺腫瘍において、腫瘍型、細胞増殖能および臨床態度の相関性を明らかにし、唾液腺腫瘍の診断・予後推測に役立つ客観的な組織学的因子の同定を目的として、本年度は、収集・分類の完了している試料を用いてのretrospectiveな検索を主として行い、以下の知見を得た。 1.増殖細胞核抗原(PCNA)標識率による検討 各種唾液腺腫瘍型で、組織型、臨床経過とPCNA標識率とを比較検討した結果、臨床的悪性度と腫瘍細胞のPCNA標識率との間には密な関連性のある事が確認された。また、筋上皮腫(Me)と多形性腺腫(PA)でのPCNA標識率を比較した結果、両腫瘍型間で細胞増殖能に有為な差はなかったが、上皮様/紡錘形/明細胞型の腫瘍性筋上皮から成るMeはPAよりも増殖能が高く、一方、形質様細胞から成るものは逆に低い事が明らかとなった。 2.Nucleolar organizer regions(NORs)数による検討 腺様嚢胞癌(ACC)で、予後(転移と腫瘍死により規定)と腫瘍細胞の平均NORs数との相関性を検討し、平均NORs数が4以上を示す症例は転移率が高く予後不良であった事より、NORs数が臨床態度を推測する客観的指標と成りうる可能性が示唆された。また、組織学的亜分類(管状/篩状胞巣のみから成る症例、充実性胞巣が全体の30%未満の症例、30%以上の症例の3型に分類)とNORs数もよく対応し、特にNORs数は小さい生検標本を用いて計測しても予後推測に十分役立つ点で、組織学的亜分類よりも勝る事が示唆された。さらに、ACCと組織像に共通性のある多形低悪性腺癌、基底細胞腺癌では、NORs数がACCよりも有意に低く、NORs数の算出が鑑別診断の補助的基準として使用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] OGAWA,Ikuko: "Proliferative activity of salivary gland pleomorphic adenomas and myoepitheliomas as evaluated by the proli…" Journal of Oral Pathology & Medicine. 22. 447-450 (1993)
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[Publications] Vuhahula,Edda: "Prognostic value of argyrophilic nucleolar organizer regions(AgNOR)count in adenoid cystic carcinoma of…" Pathology International. 44(印刷中). (1994)
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[Publications] 重松久夫: "口蓋のpolymorphous low-grade adenocarcinomaに関する臨床的並びに免疫組織化学的検討" 日本口腔科学会雑誌. 43(印刷中). (1994)