1994 Fiscal Year Annual Research Report
食虫類の下位脳幹運動神経核の筋支配対応配列に関する研究
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05671506
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
植村 正憲 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00034215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 金也 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70191111)
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Keywords | ジャコウネズミ / スンクス / 三叉神経運動核 |
Research Abstract |
昨年度の共同研究者の和田薫の死去と田畑正志の留学という事態で、当初予定した研究内容を一部変更して実施した。昨年困難であったジャコウネズミの飼育、交配および維持の技術を、今年度は確立し、研究に必要な動物数を確保できるようになった。昨年度は三叉神経運動核における運動神経細胞の筋支配対応配列をおおまかに把握したが、今年は各筋の運動神経細胞の分布範囲の境界、ないし重複の程度を明確にした。背外側亜核に背側から順に並ぶ側頭筋、咬筋および内側翼突筋の各運動神経細胞は局在性はよく、境界も明瞭であった。この亜核の内側部に局在する外側翼突筋運動神経細胞は前記3筋とは比較的境界明瞭であったが、口蓋帆張筋運動神経細胞は外側翼突筋運動神経細胞の分布域と重複してみられた。また今回、鼓膜張筋の支配運動神経細胞の分布も検索した。これは三叉神経運動核外に存在し、その吻腹外側の聴覚系の伝導路である外側毛帯の近くの橋網様体内に分布していた。一般に発生学的に近縁とされる筋どうしはその支配運動神経細胞も互いに近くに存在するとされているが、口蓋帆張筋と鼓膜張筋は同じ筋芽から発生するされているにも関わらず、この様に離れて存在していた。これは運動神経細胞の配列様式は発生学的よりも、むしろ機能的分布をする傾向があることを示唆するものである。各神経細胞体の数および大きさの計測・算出し、各筋の支配運動神経細胞の形態の傾向を明らかにした。以上のように、ほぼ当初の研究予定を遂行できた。
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