1993 Fiscal Year Annual Research Report
骨の非コラゲン性タンパク質-合成ペプチドを応用した免疫細胞化学的研究-
Project/Area Number |
05671517
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山田 まりえ 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (70115088)
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Keywords | calvaria / non‐collagenous proteins / immunocytochemistry / rat |
Research Abstract |
骨組織の石灰化現象と関連して非コラゲン性タンパク質が注目されている。非コラゲン性タンパク質として、これまでオステオネクチン、Bone sialoprotein(BSP)、オステオポンチン、alpha_2HSglycoproteinならびにオステオカルシンなどを中心として数種類が報告されている。今回は新生児ラットの頭蓋骨のミネラルコンパートメントから主として3種類の非コラゲン性タンパク質を抽出し、各々がオステオポンチン、BSP、alpha_2HSglycoproteinのanalogueであることを明らかにした。特にオステオポンチンに関しては既に全アミノ酸配列が決定されているので、C端末部分(N端から286-301段目)のペプチドおよび中央部分(N端から147-163段目)のペプチドを合成し、抗原として用いた。また、骨の非コラゲン性タンパク質の内でもBSPは特に骨組織に特異的であるとされているので、このタンパク質のN末端(N端1-15段目)ペプチドも抗原として用い、それぞれの抗体の作製を試みた。また、血清由来とされているalpha_2HSglycoproteinのN末端(N端1-13段目)ペプチドに対する抗体の作製を行った。 得られた抗血清はラットの頭蓋骨のミネラルコンパートメントから抽出したそれぞれのタンパクと反応し、抗体の形成が確認された。本年度はこれらの抗体のうち、特にオステオポンチンについて光学顕微鏡的に観察を行った。新生児ラット頭蓋骨の初期石灰化部位では顆粒状の免疫反応が石灰化した骨基質中に認められた。骨の改造現象が認められる部位では、いわゆるcement lineに強い免疫活性が認められ、そこに添加される基質中にも顆粒状の反応産物が観察された。さらに次年度には免疫電顕に発展させ、詳細に検討する予定である。
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