1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671523
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
岸 好彰 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084779)
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Keywords | ITIインプラント / 血管鋳型法 / 非脱灰切片 / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
インプラントと植立窩の側壁との間隔は30mu前後と均一であった。この間隔、ならびに周囲組織には植立時の侵襲による出血、血餅が術後3日では観察されたが、同時に新生血管もすでに観察された。 術後1週では、肉芽組織と新生血管の増殖が盛んになり、同時に側壁骨面より小隆起状に骨の新生が観察された。このような骨の新生は中空シリンダー部において特に著明で、シリンダー内に残存した骨とインプラント周囲骨との間に新生骨(線維性骨)によるbridgeが認められた。これらのことから、インプラントの1次安定性は適合性のよいインプラント窩の形成のみならず、インプラントの形態も大きく関与していることを示すものと考えられる。 術後2週では、静脈性主体の新生血管が互いに交通してインプラント体を取り囲む粗い血管網を形成していた。この新生血管網は術後2週頃に形成のピークに達し、同時に血管周囲から新生骨が形成されていく。したがって新生骨の形成にしたがって新生血管は衰退しながら骨中に埋入し、ゆっくりと本来の骨髄中の粗な血管網へと改築されていく。またインプラント体と接している口腔粘膜の血管網は、上方1/3が天然歯における付着上皮直下の毛細血管網の分布形態に類似、下方2/3は天然歯における歯肉の結合組織に分布する血管網の形態に類似し、インプラントを取り囲む輪状の走向として認められた。 術後3週では、2週例よりも多くの部位でインプラントと新生骨は接触し、Osseointegrationが得られた。Osseointegrationは4週例でインプラントのほぼ全域にわたって観察された。 術後12週では、インプラント外側面および中空内面に接した新生骨は、骨改造(remodeling)により既存骨と一体となった層板構造に改築され、インプラントと強固なOsseointegrationを形成していた。なお歯槽骨頂縁の吸収は認められなかった。
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Research Products
(1 results)