1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671533
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
福島 久典 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50103099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 靖子 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20257893)
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Keywords | Hyaluronidase / Anacrobic bacteria / Pathogenicity |
Research Abstract |
蜂巣炎から分離した細菌の酵素産生性をスクリーニングした多々見は,DNase,beta-lactamase,hyaluronidase,chondroitin sulfataseおよびcollagenaseの平均分布比率がそれぞれ36.8%,20.3,19.5,16.2および15.5%であったと報告している。一方,常在菌叢や慢性根尖性歯周炎では,これらの酵素の比率はいずれも5%以下であった。それゆえhyaluronidase産生菌はDNase,beta-lactamase,chondroitin sulfataseおよびcollagenase産生菌とともに感染根管由来の疾患の増悪化に大きな関わりをもつと考えられる。そこで,本研究ではhyaluronidaseを産生するPrevotella intermediaから本酵素を分離精製して抗血清を作製し,colony immunoblottingで本酵素産生菌の検索を試みた。しかし,P.intermediaは数代継代を続けると活性が減弱もしくは消失することが判明した。それゆえ,急性根尖性歯周炎や歯周ポケットから分離した細菌のhyaluronidase産生性をplate法で検索した。 その結果,急性根尖性歯周炎の多くの症例では5%以下の細菌がhyaluronidaseを産生したにすぎなかったが,1症例では47%を占めた。平均では12%であった。慢性根尖性歯周炎の場合,本酵素の平均分布比率は5%以下であったので,症例によっては本酵素が急性化に関連すると考えられる。歯周ポケットの場合,急性発作部位(3.4%),非発作部位(3.2%)とも5%以下であった。したがって,歯周ポケットでは本酵素が直接に病原的な役割を果たしているとは考えられず,感染根管由来の感染症と歯周疾患とは異なる病原因子によって急性化を辿ると思われる。
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[Publications] 松井,志郎: "Prevotella intermeclia ATCC25611と33563 homology groupの口腔内分布および病原性状" 歯科医学. 56. 227-242 (1993)
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[Publications] 中垣,直穀: "歯周ポケットにおける病原酵素および粘性物質産生菌の分布" 日本歯周病学会誌. 35. 59 (1993)