1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671540
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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Keywords | 骨代謝 / 細胞融合 / オステオクラスト(破骨細胞) / マンノース |
Research Abstract |
骨吸収に関与する細胞として破骨細胞があげられ、この破骨細胞への分化、単離破骨細胞の機能発現調節などに関する研究が多くなされている。我々は、これらの研究を容易に行う手段として、破骨細胞形成を支持する細胞をマウス骨髄より単離し、TMSと名づけた。本細胞と共存させた脾臓由来単核細胞は、高率に破骨細胞に分化することより、このTMS細胞は破骨細胞分化の機序解明、破骨細胞形成促進因子、抑制因子の単離、構造決定および、単離破骨細胞の機能調節に関する研究に有用である。 本研究においては、このTMS細胞と共存培養した脾臓細胞の破骨細胞への分化にどのような接着分子が関与しているかに関し検討を行った。 破骨細胞形成の融合過程におけるterminal mannoseの役割 破骨細胞の形成過程の最終段階である細胞融合は、破骨細胞に特有な現象として興味深いものである。しかし、現在のところ、どのような接着分子がこの過程に関与しているかは明らかとなっていない。前年度の研究においてLFA-1とICAM-1による接着がこの融合反応に関与していることを報告したが、その抗体による融合阻害は50%で、それ以外の接着様式の可能性が示唆された。そこで、他の接着様式として、mannoseを介した結合を考えた。即ち、生体内における細胞融合反応のうち、HIVウィルスが細胞に感染する際や精子が卵に受精する際にはterminal mannoseが重要であることが報告されていた。そこで、terminal mannoseにのみ結合し、HIVウィルスの感染を抑制することが知られている抗生物質であるpradimicinを用いて、種々の検討を行った。その結果、pradimicinは破骨細胞形成過程の融合過程のみを抑制することおよび、細胞融合時のみterminal mannoseが細胞膜上に発現することが明かとなった。このことは、細胞同士の融合過程にterminal mannoseを介した接着形態が存在し、この接着形態が細胞融合に非常に重要な役割をもっていることを意味している。
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[Publications] N.Suda,I.Morita et al.: "Partification of oxidative stress in the presence of osteo-clasts differentiation." Biochim.Biophys.Acta. 1151. 318-323 (1993)
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[Publications] T.Kurachi,I.Morita: "Involvement of adhesion molecules LFA-1 and ICAM-1 in osteoclast development" Biochim.Biophys.Acta. 1178. 259-266 (1993)
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[Publications] K.Sakaguchi,I.Morita: "Eicosapentaenoic acid inhibits bone loss due to ovariectomy" PG.LT and EFA. 51. 51-55 (1994)
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[Publications] T.Kurachi,I.Morita: "Expression on outer membranes of mannose residues,which are involved in osteoclast formation via cellular fusion events" J.Biol.Chem.269. 17572-17576 (1994)