1993 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織時刻描記法のEDDPO法とテトラサイクリン法の比較検討実験
Project/Area Number |
05671556
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
増原 泰三 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (00060400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良男 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (10236648)
中村 康則 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (20095201)
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Keywords | 硬組織時刻描記剤 / EDDPO / テトラサイクリン / ラジオアイソトープ / 生体内分布 / 半減期 |
Research Abstract |
本研究では、われわれが硬組織時刻描記剤として先に考案したethylenediamine-N,N′di(methylenephosphonic acid)(EDDPO)と、従来より使用されてきたテトラサイクリン(Tc.)を体内動態の面から比較検討した。 両時刻描記剤のRIラベル化合物^<14>C-EDDPOと^3H-Tc.をSD系雄性ラットの背部皮下に投与し、経時的に屠殺して血清半減期と、腎、脾、肝、顎下腺、心筋、骨の臓器内残存量を投与直後から24時間まで比較検討した。その結果、血清半減期はEDDPOが29分30秒、Tc.が1時間57分であり、EDDPOの方が約4倍早く血中から消失することが判明し、硬組織時刻描記剤に求められる繊細な時刻描記線の描記にEDDPOは優れていることが明らかになった。また、臓器残存量についてはEDDPOはTc.とともに、骨以外の臓器では投与直後をピークとして漸次減少する経過をたどったが、他臓器に比較して腎で若干高い残存量を示した。 次に、EDDPOの血清半減期が短いことから、2本の時刻描記線として分離識別できる最短時間間隔を確認する実験を行った。EDDPOを1,2,3,6,9,12時間間隔をおいて投与し、下顎切歯象牙質の脱灰パラフィン切片で観察したところ、16mg/kgのEDDPOを背部皮下注射した場合、3時間の投与間隔で2本の時刻描記線が確認できた。識別できる時間間隔はTc.では4時間、酢酸鉛で3時間と報告されているのでこれらと比較して遜色のないものといえる。 以上の結果から、EDDPOは従来から用いられてきた硬組織時刻描記剤と比較して血中半減期は十分に短く、臓器残留性も少ないことが認められたので、生体に対して為害作用の少ない優れた時刻描記剤であることが確認された。なお、本研究の一部は第36回歯科基礎医学会総会(平成5年10月)で発表した。
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Research Products
(2 results)