1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671581
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
馬嶋 秀行 福井医科大学, 医学部, 助教授 (60165701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 まり 日本大学, 歯学部, 助手 (90226267)
加納 永一 福井医科大学, 医学部, 教授 (70065910)
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Keywords | 放射線療法 / 化学療法 / 扁平上皮癌 / 放射線抵抗性 / 化学療法抵抗性 / 治療先行指標 / 細胞内還元剤 / 癌遺伝子産物 |
Research Abstract |
本研究の目的は頭頚部由来の6種の扁平上皮癌の放射線及び制癌剤の感受性を調べ、同時に細胞内還元物質及び癌遺伝子産物及びm-RNAについて調べ、両者の関連を明らかにしようというものである。癌の治療において、治療促進及び的確な診断と放射線及び制癌剤の有効利用は必須条件である。予め個々の腫瘍組織における放射線ないしは化学療法に対する効果がわかると治療の有効利用が可能となる。放射線及び制癌剤の効果を左右する物質として、細胞内還元物質の存在が指摘されている。またごく最近、治療効果と癌遺伝子(H-ras,v-mic,v-src,c-mic等)との関連が幾つか報告されている。しかし、各報告では、いづれも1〜2種類の癌遺伝子のみについて注目し、複数の組織系が同じ頭頚部由来扁平上皮癌で、しかも、これらの細胞内還元物質及び複数の癌遺伝子を総合して調べた報告はない。本研究は、世界に先駆けこれらの研究を行うものである。本年度では、6種の頭頚部癌(扁平上皮癌株)を用い実験を行なった結果、以下のことが明らかとなった。 1.放射線及び制癌剤(ブレオマイシン)に対する感受性をコロニー法により生存率曲線を得て調べ、その中で抵抗性癌を選別を行なった。放射線抵抗性を示す細胞ではブレオマイシン抵抗性を示し、逆に放射線高感受性の細胞は、ブレオマイシン高感受性を示した。 2.細胞内還元剤であるグルタチオンの定量を行った。 3.1.及び2.の結果の相関を調べた結果、あまり両者は相関を示さなかった。ただし、最も放射線抵抗性を示す細胞のグルタチオン量は6種の扁平上皮癌株細胞中最大値を示した。 目下、6種の頭頚部癌細胞のシスプラチンに対する効果を検討中である。ADF(ATL由来因子)の定量も行ないつつある。また、一部、癌遺伝子産物の解析を開始したところである。計画班の当初の計画はほぼ、達成されたといえる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koh-ichi Sakata: "Further appliccation and evaluation of critical cell number and modifying factors in radiocurability of muticellular spheroids." J.Radiation Research. (in press). (1994)
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[Publications] 馬嶋秀行: "豊田理化学研究所" 環境因子と細胞の行動, 100 (1994)