1994 Fiscal Year Annual Research Report
透過光光電脈波を用いた無痛的歯髄診断法に関する研究
Project/Area Number |
05671589
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井川 資英 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (80176065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40261523)
板垣 由美 東北大学, 歯学部, 助手 (10223067)
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Keywords | 歯髄 / 血流 / 診断 / 光電脈波 |
Research Abstract |
昨年度の研究により、光電脈波の導出に適切な照射光および光検出器を選択し、ヒト歯髄光電脈波の導出が可能となった。今年度は本方法による血流観察が、特に歯根歯髄のどの範囲までの血流を反映しているのかを知るために、抜去歯を用いてシュミレーションを行った。歯冠がintactなヒト抜去歯の根尖部を切断し、そこから根管内容物を除去した。抜去歯はマグネチックランプに固定し、根尖方向から透明なビニルチューブをマイクロマニピュレータを用いて挿入し続け、その際の透過光量の推移を観察した。565nmに強度ピークを有するLEDを光源に、光検出器には565nmに検出ピークを有するCdS-CdSe光導電セルを用い、光の照射および透過光の検出はin situの場合と同様の配置にした。ビニルチューブ先端が根尖部付近に位置している場合は、チューブの歯冠方向への移動に関わらず、透過光量に変化は見られなかった。ビニルチューブを更に歯冠方向に進めて行き、チューブ先端が、照射部及び採光部から約4mm程度根尖方向、即ちエナメルセメント境より約2mm程度根尖方向の位置から透過光量が減少し始め、チューブの挿入につれ、更に減少が続いた。その後、光量の減少は停止し、光量は一定値を維持した。これは本方法において、エナメルセメント境より約2mm程度根尖方向までの歯根歯髄を含んで光が透過し、この範囲に歯髄血流が存在すればその変化を脈波として検出できることを示唆している。このような根管内の空間は臨床的には通常歯髄が存在する部位であり、本方法の歯髄血流観察法としての臨床応用の可能性を示している。
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