1994 Fiscal Year Annual Research Report
コンポジットレジン修復における象牙質親和性接着法の試み
Project/Area Number |
05671597
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 尚毅 広島大学, 歯学部, 助教授 (20136097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 明広 広島大学, 歯学部, 助手 (40230099)
松前 泉 広島大学, 歯学部, 助手 (80183614)
占部 秀徳 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10231185)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
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Keywords | タンニン酸 / ボンディング材 / 口腔レンサ球菌 |
Research Abstract |
タンニン酸の幅広い生物学的な作用に着目し,接着処理材への応用を検索することを目的として,タンニン酸の歯質や修復材表面への細菌付着抑制効果を研究すると共に,ボンディング材に配合した場合の抗菌性や歯質接着性について検討した結果,唾液処理,未処理の修復材料及び歯質表面は,タンニン酸処理により負の電荷が増加すると共に,より親水性に変化し,これらの被着材料に対する付着菌数は減少した。また,付着菌数と被着体表面のζ-電位及び接触角との間にはそれぞれ相関が認められた。すなわち,タンニン酸処理による菌付着の抑制は,静電的相互作用の増大や疎水的相互作用の減少など非特異的因子の阻害によることが示唆された。一方,未硬化あるいは硬化直後のボンディング材も特定の細菌に対して抗菌性を有していたが,ボンディング材へタンニン酸を配合することによりその抗菌性が強化され,未配合のボンディング材は硬化24時間後にはいずれの細菌においても抗菌性が認められなかったのに対して配合されたものにはわずかながら抗菌性が認められることが判明した。タンニン酸配合ボンディング材のエナメル質に対する適合性に優れ,特に象牙質との適合性は極めて優れていることが示された。また,同材と象牙質との接着力はタンニン酸を配合しないものとに統計的な差は認められなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoki Satou: "Acidogenicity of Streptococcus mutans at different pH conditions in a chemostat" The Jounal of Hiroshima University Dental Society. 26. 101-105 (1994)
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[Publications] Naoki Satou: "Effect of tannic acid solution on hydroproline in dental collagen" J.Prosthet.Dent.(in press).