1994 Fiscal Year Annual Research Report
臼歯部用コンポジットレジン充填歯に発生する咬合痛のメカニズムとその予防法
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05671611
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
平田 健一 朝日大学, 歯学部, 講師 (80165175)
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Keywords | 咬合痛 / 歯液移動量 / コンポジットレジン |
Research Abstract |
大臼歯咬合面の近心と遠心に窩底が象牙質に至る円柱状窩洞を形成し、それぞれの窩洞を異なった充填方法で修復した。すなわち、Group A:同一歯牙において両窩洞とも窩洞内全面をK-etchantで40秒間酸処理後、ボンディング材を使用せずCRインレー修復し、一方の窩洞には充填面中央に30kgの荷重を繰り返し10回加え、他方の充填面には荷重を加えない試料。Group B:同一歯牙において一方の窩洞内面はK-etchantで40秒間酸処理し、他方の窩洞内象牙質は酸処理せず、両窩洞ともボンディング材を使用せずCRインレー修復し、充填面中央に30kgの荷重を繰り返し10回加えた試料。Group C:同一歯牙において、まず両窩洞とも窩洞内全面をK-etchantで40秒間酸処理後、一方の窩洞はボンディング材を塗布せずそのままCRインレー体をCRインレーセメントで合着し、他方の窩洞には窩洞内全面にフォトボンド(クラレ)を塗布し、1分間の光照射を行った後、CRインレーセメントによりCRインレー体を合着し、それぞれの充填面中央に30kgの荷重を加えた試料。これらの窩洞の縦断面レプリカを作製し、同一歯牙で充填法の違いが窩底部のレジン-象牙質界面の状態に及ぼす影響を走査型電子顕微鏡で観察した。 その結果、Group Aでは荷重を負荷していない試料の適合性は良好で数μmのわずかな間隙しか認められなかったが、荷重を負荷したものは、その間隙がやや大きくなる傾向が観察された。Group Bでは双方の窩洞とも窩底部には10〜15μmの間隙が観察され、今回の試料作製方法では窩洞内の酸処理の有無によって生じる窩底部の間隙の大きさには著しい差が認められなかった。Group Cではボンディング材を塗付していない試料は、窩底部に約10μmの間隙が認められたが、ボンディング材を塗布した試料の窩底部には、約10μmの黒い層としてボンディング材が観察され間隙は認められなかった。
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