1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671615
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大川 昭治 北海道大学, 歯学部, 助手 (40001945)
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Keywords | チタン / ろう付 / フラックス |
Research Abstract |
研究目的:歯科におけるチタンろう付は、真空あるいはアルゴン雰囲気中で赤外線加熱して行なわれている。しかし私は、適当なフラックスを造ることができれば、従来のガスブロ-パイプ加熱でも、チタンろう付は可能ではないかと考えた。そこでフラックスの設計に先立ち、チタン用フラックスがどのような作用を示すかを基本的に把握したい。本年度はチタン板上におけるフラックスとろう合金の広がりにおける元素分布を調べる。 研究計画:銀ろう広がり断面におけるチタンならびにろう成分元素およびフラックス成分元素の分布を調べた。このため、50%KHF_2-50%LiFのフラックスを調製して、銀ろう10mgを6mgのフラックスで覆いチタン板上に置き、800℃の電気炉に、25秒、35秒、45秒、75秒と保持した。広がり試料を樹脂包埋して断面を作製して、X線マイクロアナライザーでろう成分元素の面分析をおこなった。 実験成果 1.いずれの加熱時間の場合も、銀ろう広がり先端部においては、銅の濃度は高く、銀の濃度は低かった。 2.加熱時間25秒、35秒の場合、広がり先端部内側のろう中では、チタン板との界面で銅の濃度は高かった。このような銀の濃度分布は、加熱時間45秒、75秒の場合には、広がりの中心に近い部分で生じた。 3.加熱時間45秒、75秒の場合、広がり先端部内側のろう中では、銀については上層部で濃度が高く、下層部で濃度が低い。一方チタンは上層部で濃度が低く、下層部で濃度が高かった。銅は全体に濃度が低かった。このような濃度分布を示す部位は、加熱時間25秒、35秒の場合には見られなかった。 今後の課題:上記以外のフラックス組成を用いたときのろう成分の元素分布と広がりにおけるフラックス成分の元素分布の測定は現在実施中である。
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