1994 Fiscal Year Annual Research Report
軟質裏装材の変色と物理的性質の変化とに関する基礎的研究
Project/Area Number |
05671642
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
鷹股 哲也 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50064689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 昭弘 歯学部, 講師 (10195571)
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Keywords | 軟質裏装材 / 変色 / 物理的性質 |
Research Abstract |
市販義歯床用軟質裏装置材の中から臨床に多用されていると思われる重縮合型シリコーン系軟質裏装材を選び,変色と物理的性質との関係を調査した.着色溶液としてインスタントコーヒー液,無着色溶液として生理食塩液を使用し,37℃環境下で1,2,3,4,12,24週間の浸漬と各時期における引張強度,伸び,引張応力,引裂強度,25%低伸長応力,硬さの6項目について物理・機械的試験を行なった.変色は予備実験(日本補綴歯科学会雑誌35:542〜555,1991)と同傾向を示し,インスタントコーヒー液では浸漬1週間後に「別の色系統になる」まで変化し,生理食塩液ではむしろ退色に伴う変化が見られた.物理的性質との関係では,無着色溶液である生理食塩液で引張強度,伸び,引裂強度,硬さに相関がみられ(p≦.05),最も強い相関がみられたのはインスタントコーヒー液における硬さの変化(p≦.01)であった(日本補綴歯科学会雑誌39巻2号印刷中). 今回の調査では変色の程度と物理的性質との変化には明確な関係は見られなかったが,その要因として実験環境に口腔内細菌の影響が考慮されていないこと,シリコーン材料の脂質吸収と酸化の影響が加味されていないことなどが考えられた.今後はこれらの影響を実験条件に組み入れると共に,材料の分子量分布,分子量測定をGPCで行なう予定である.
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