1993 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性N-ハイドロアルキルアクリルアミド系モノマーのデンチンプライマーへの応用
Project/Area Number |
05671651
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (80084250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10122780)
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Keywords | デンチンプライマー / 象牙質 / 接着力 / 酸処理剤 |
Research Abstract |
側鎖に水酸基とアミド基を有し、脂肪族のN-(Hydroxyalkyl)acrylamide系モノマーの内で水溶性であるN-(2-Hydroxyethyl)acrylamide(EAA),N-(2-Hydroxy ethyl)methacrylamide(EMA),N-(2,3-Dihydroxypropyl)acrylamide(DAA),N-(2,3-Dihydroxypropyl)methacrylamide(DMA)の4種を合成し、これらモノマー(10-80wt%)を含む水溶液をデンチンプライマーとして用いた。そして、10-3溶液、EDTA溶液、10%りん酸溶液で30秒間処理した象牙質、さらに試作した各種デンチンプライマーを1分間追加処理した象牙質へのClearfil Photo Bondの接着力の測定および耐酸性象牙質層や接着試験後の破断面のSEM観察を行い、合成モノマーのデンチンプライマー成分としての有効性を検討した。酸処理剤の種類に関係なく、デンチンプライマー処理を施すと接着力は有意に向上し、モノマー濃度が50%前後ものが最も処理効果が大きかった。また、アクリル系モノマーの方がメタクリル系モノマーより処理効果は大きかったが水酸基数と接着力との間には顕著な相関は認められなかった。一方、35%HEMA水溶液(HEMA)や45%GM水溶液(GM)であるデンチンプライマーの処理効果と比較すると、酸処理剤の種類に関係なく、アクリル系モノマーの場合はHEMAやGMより処理効果は大きかったがメタクリル系の場合はやや近似していた。接着界面にはデンチンプライマーの有無や種類に関係なくいずれも深さ1から3mum程度の耐酸性象牙質層が観察され、接着試験後のレジン破壊面や象牙質破壊面もいずれも類似し凝集破壊であった。
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