1994 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈狭窄ネコにおけるストレス時の心機能の変化に対する血管拡張薬の影響
Project/Area Number |
05671667
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁谷 徹 大阪大学, 歯学部, 講師 (30206148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智範 大阪大学, 歯学部, 助手 (80252691)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 冠動脈狭窄ネコ / 視床下部刺激 / 精神的ストレス / 心機能 / 血管拡張薬 |
Research Abstract |
ネコを用いて冠動脈を人為的に狭窄させ虚血性心疾患のモデルを作製し、視床下部を電気刺激することにより歯科治療時のストレス状態を作り出し、心機能の変化を調べるとともに、血管拡張薬投与の影響について検索することを目的とする。全身麻酔下に開胸を行い、冠動脈(左前下行枝)の血流量を電磁血流計にて測定しながらその末梢側を縫合糸を用いて人為的に狭窄させ、虚血性心疾患のモデルを作製した。循環動態および心機能のパラメーターとして、血圧、心拍数、心拍出量、冠動脈血流量、左室内圧、左室一時微分係数dp/dt、心筋の組織酸素分圧の変化を測定した。また、視床下部腹内側核に刺激用電極を挿入し、電気刺激を行うことにより、歯科治療時の不安、恐怖等による精神的ストレスに類似したストレス状態を作り出し、そのときの心機能の各パラメーターを測定した。視床下部電気刺激に伴い血圧、心拍数、心拍出量、冠動脈血流量、dp/dtは増加し、刺激後対照値にもどった。心筋酸素分圧にはほとんど変化はみられなかった。冠動脈を狭窄させ虚血状態にした場合には、視床下部電気刺激に伴う血圧、心拍出量の増加は、狭窄のない場合に比べて少なく、dp/dtもあまり増加しなかった。このことは、心筋虚血に伴って心筋の収縮力が低下し、予備力が少なくなっていることを示唆している。現在、ニトログリセリン、Ca^<++>拮抗薬等の血管拡張薬の投与による影響について検討を行っているところである。
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