1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671692
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小林 裕 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50130919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 昭義 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084748)
野口 正宏 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50084728)
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Keywords | 揮発性吸入麻酔薬 / 血管平滑筋 / 交感神経末端 / ノルエピネフリン / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
平成5年度および平成6年度にえられた研究結果を以下に示す。 A.経壁的電気刺激(ES)によるノルエピネフリンの遊離 1).摘出イヌ上腸間膜動脈および静脈の螺旋状標本を経壁的電気刺激(ES)することにより灌流液中のノルエピネフリン量は非刺激時に比較して増加した。 2).ESによるノルエピネフリン量の増加が、神経細胞のNa^+チャンネルブロッカーであるテトロドトキシンを前処置することにより著明に減少した。 3).Pre-synapsに存在するalpha2受容体を特異的に遮断するとされているyohimbineの前処置により、またNEのup-takeを阻害するcorticostelon,desipramineの処置によりノルエピネフリン量が増加した。 B.揮発性麻酔薬エンフルレンの血管収縮抑制作用とノルエピネフリン 1).エルフルレンの1および2MACによりES時の動脈および静脈の収縮が抑制された。 2).エルフルレンによりES時のノルエピネフリンの放出量が静脈においてのみ抑制された。 C.ESによる血管収縮と細胞外Ca^<++>の関与 Ca^<++>freeのKrebs-Ringer液で摘出イヌ上腸間膜動脈及び静脈の螺旋状標本を表面灌流し、ESを行った。その結果、Ca^<++>freeのKrebs-Ringer液の適用により、ESによるノルエピネフリンの放出が著明に抑制された。このことから交感神経末端からのノルエピネフリン放出には細胞外Ca^<++>の流入が必要であることを示している。以上の結果は、エンフルレンによるノルエピネフリン放出抑制機序に一部、神経細胞膜Caチャンネルの抑制が関与している可能性を示唆している。
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