1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671715
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉利 和彦 九州大学, 歯学部, 助手 (60037538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ瀬 元史 筑紫女学園短期大学, 一般教養, 教授 (30150460)
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Keywords | 口唇圧 / 最大筋力 / 顎顔面形態 / フォースゲージ |
Research Abstract |
口唇の発揮する最大筋力を測定するために一定の形をしたプレートを口唇の裏側(口腔前庭すなわち口唇と前歯との間)に置き、そのプレートを口腔外側に引き出す時の口唇により働く最大努力による抵抗力を口唇最大圧として上下個別に測定した。プレートはストレンゲージロードセル方式のフォースゲージに接続させ、発生した信号はノート型コンピュータに記録保存させるシステムを開発した。 不断の力は最大筋力でも把握できるし(平常筋力は最大筋力の20〜30%である)、最大筋力は形態としても捉えうるのではないか(最大筋力は筋断面積に比例する)。口唇部は孤立しておらず周囲の軟組織に移行しているので、少なくとも顎顔面前方部に影響しているのではないか。この様な考え方に基づき、上下の口唇最大圧と顎顔面前方部の硬組織(頭部X線規格写真)および軟組織(顔面規格写真)との関係をコントロールとしていわゆる正常咬合を示す成人女性を対象に調べた。 その結果、上口唇圧最大値よりも下口唇圧最大値の方が顎顔面形態と関連が強いことが判明した。組数24における相関係数は、下口唇圧最大値とANBとの間ではr=-0.427,またA-B pl.との間ではr=0.460であった。一方Denture patternと下口唇圧最大値の比較では、U1 to SN r=0.398、L1 to SN r=0.313であった。また、口唇圧と顔面軟組織との比較では、下口唇圧と下顔面長との間にR=0.463の相関を見た。上下の口唇圧最大値の間にはr=0.418の相関を認めた。 これらの結果をまとめると、下口唇圧の強い者は下顎が前後的にも垂直的にも発達する傾向にあることが分かった。
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