1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する歯科医療対策.唾液分泌量減少による口腔内環境および咀嚼能率の変化.
Project/Area Number |
05671719
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
渡部 茂 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科, 助教授 (60113049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 清治 北海道医療大学, 歯学部。小児歯科, 教授 (20001943)
上田 正彦 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科, 助手 (80244846)
塚本 智明 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科, 助手 (30244867)
浅香 めぐみ 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科, 助手 (10167877)
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Keywords | 咀嚼能率 / 唾液分泌量減少 / 硫酸アトロピン / プラーク付着量 / 味覚閾値 |
Research Abstract |
本年度は、硫酸アトロピン服用下唾液分泌量減少時におけるプラーク付着量、及び味覚閾値の変動について検討を行なった。 歯周組織が臨床的に健康である青年男子10名を被験者とし、無作為に5名づつI,IIの2群に分け、48時間ブラッシング停止後のプラーク付着量を測定した。期間中被験者全員には同一の食事、および間食をとらせ、I群には1日3回毎食前に硫酸アトロピン0.5mgを経口投与し,II群には偽薬を投与した。プラーク付着量はVolpeの方法に従い、被験歯は上顎右側および下顎左側第一大臼歯、上顎左側および下顎右側中切歯、上顎左側および下顎右側第一小臼歯の6歯とした。2日間約1時間毎に安静時唾液分泌量を計測した結果は、危険率1%でI群が有意に低い値を示した。48時間後のプラーク付着量は6歯の合計を全体、唇頬側部、舌口蓋部、中央部に分けて集計した結果、全体ではI群がII群に較べて危険率0.1%で有意に高い値を示した。また唇頬側部と舌口蓋部の比較ではI II群とも唇頬側が高く、I群の方がII群より高かった。上下顎別では下顎より上顎が高く,I群がII群より高かった。以上のことから唾液分泌量を抑制すると、プラーク付着量が有意に増加することが示唆された。 唾液分泌量減少時の味覚感受性については、ろ紙ディスク法を用い、各種濃度のショ糖液(甘味)、食塩液(塩味)、酒石炭酸液(酸味)、塩酸キニ-ネ液(苦味)の基本四味で、舌上の鼓索神経支配領域、舌咽神経支配領域、軟口蓋上の大錐体神経支配領域での味覚感受性について検討を行なった。その結果ショ糖液を除く三液は鼓索神経支配領域、舌咽神経支配領域ともそれぞれ味覚閾値の上昇がみられた。一方、大錐体神経支配領域では何れの味質でも変化はみられなかった。以上のことから、舌上の各神経支配領域では、唾液分泌量が減少すると味覚感受性が減退する傾向にあることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 渡部茂: "実験的な唾液分泌機能低下が食物咀嚼時間と嚥下時食塊水分量に及ぼす影響." 日本咀嚼学会雑誌. 3. 37-42 (1993)
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[Publications] 広瀬哲也: "唾液分泌促進剤の有効性に関する基礎的検討" 老年歯科医学雑誌. 7. 163-170 (1993)
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[Publications] 大西峰子: "小児の食物咀嚼に関する研究.3食物および食塊の水分量と咀嚼時間" 小児歯科学雑誌. 32. 1074-1080 (1994)
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[Publications] S.Watanabe: "Estimation of the total saliva volume produced perday in five-year-old children." Archives of Oral Biology. 40(6). (1995)
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[Publications] S.Watanabe: "The effect of taste adaptation on salivary flow rate in children" Pediatric Dental Journal. 5(1). (1995)