1995 Fiscal Year Annual Research Report
早期接触が咀嚼筋活動に与える影響に関する実験的研究
Project/Area Number |
05671720
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
三浦 廣行 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00048563)
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Keywords | 早期接触 / 咀嚼筋活動 / 筋電図 / 歯根膜 / 圧迫刺激 |
Research Abstract |
不正咬合や顎関節症の病因のひとつに早期接触による顎の異常運動があげられ、その診断には従来から咬合紙、ワックスバイト、調節性咬合器あるいはマイオモニターや咬合音などを応用する方法も報告されている。しかし、これらの方法では早期接触の存在の確認や、早期接触歯の同定にとどまり、顎運動に与える影響の解析あるいは早期接触解消後の筋機能変化を知ることはできない。そこで、本研究では歯根膜に負荷する圧刺激の違いが咀嚼筋に与える影響について検討した。 歯列咬合ならびに顎関節にとくに異常のない成人を対象とし、大臼歯、小臼歯、犬歯および中切歯それぞれに頬側から舌側に、、舌側から頬側に、さらに歯軸方向の3方向から、1秒間、約1Kgの圧刺激を加えた際の咀嚼筋活動の変化を検討した。 安静時に歯根膜に圧刺激を負荷すると、ほとんどの歯で興奮性の筋放電が誘導された。10Kgの噛みしめ時に圧刺激を加えると筋放電の抑制が認められた。5Kg噛みしめ時には筋放電の誘導と抑制の両者が認められ、5Kg前後の噛みしめが歯に圧刺激を加えた際に興奮反射が抑制反射に切り替わる境界と考えられた。 一方、歯根膜反射の圧刺激の方向性に関しては、上顎の歯に舌側から圧刺激を負荷した場合、興奮反射は起こらず、抑制反射のみが認められた。他方、下顎の歯に関しては舌側からの圧刺激に興奮反射が認められ、歯根膜には刺激方向性があることが判った。
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