1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳歯歯根膜由来細胞の機械的外力への応答に関する細胞生物学的研究
Project/Area Number |
05671726
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
木本 茂成 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90205013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 秋彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90173674)
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (30084784)
斎藤 滋 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (80084713)
|
Keywords | ヒト乳歯 / 歯根膜 / 培養細胞 / 機械的外力 |
Research Abstract |
ヒト抜去乳歯および永久歯より歯根膜組織を採取し,斎藤・川瀬らの方法に準じてexplant法によりヒト乳歯歯根膜線維芽細胞(HPLF-Y)と永久歯歯根膜線維芽細胞(HPLF)を樹立した。HPLF-YおよびHPLFに対し,Flexercell vacuum systemを用いて機械的伸展力を加え,細胞層のDNA量,alkaline Phosphatase(ALP)活性を測定することにより,細胞の増殖と分化に対する影響について検討した。さらに細胞の分化に影響を及ぼすと考えられるretinoic acid(RA)および1,25dihydroxy vitamin D3(3)の機械的外力への応答に対する影響についての検索を行った。培養5日目より,変形率5%で10秒間伸展させ,10秒間弛緩させる負荷を24時間加えた場合,HPDFでは細胞増殖は促進されたが,HPLF-Yにおいてはcontrol群と有意な差は認められなかった。また,同様の負荷によりHPLF,HPLF-Yの両者においてALP活性の上昇が認められたが,その上昇効果はHPLFにおいて,より著明であった。また,変形率10%の負荷を加えた場合,5%の負荷を与えた場合と同様にHPLFにおいてのみ増殖の促進が認められた。5%の機械的外力によりHPLFではgrowth phaseにおいてALP活性の上昇が認められたが,confluent phaseにおいては外力の負荷による差は認められなかった。HPLF-Yではgrowth phaseにおいてRAとD3を同時に添加した場合,またconfluent phaseにおいてはD3単独,あるいはRAとD3の同時添加の場合にのみ機械的外力の負荷によるALP活性の上昇が認められた。以上の結果から,HPLF-YとHPLFではの機械的外力に対する応答に差が認められ,両細胞の歯周組織改造に果たす役割の相違が示唆された。
|
Research Products
(1 results)