1993 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドの高効率合成法の開発と抗ウイルス作用を有する内因性生体防御ペプチドの合成
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05671748
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大高 章 京都大学, 薬学部, 助手 (20201973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉村 啓和 京都大学, 薬学部, 助手 (80217182)
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
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Keywords | 固相合成 / Avidin-biotin / アフィニティークロマト / デフェンシン / ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
ペプチドの化学合成は、生理活性ペプチド、タンパク質の作用と機能の研究、ペプチド性医薬品の開発研究など医学、生化学の分野において無くてはならない基礎技術の一つとなっている。近年固相合成法の発展と固相合成機の開発に伴い低分子ペプチドならば比較的容易に合成が可能となってきた。しかしながら固相法を用いた場合、最終生成物には構造が類似した多数の欠陥ペプチドが含まれる。そのため最終目的物の精製には多大な労力と時間を要するのが現状である。このような固相合成法の欠点を改良すべく申請者らは、固相法により合成したペプチドの一段階精製法の開発を進めてきた。先ず精製法に関し本年度は改良Avidin-biotin系アフィティークロマトグラフィーによる固相合成ペプチドの精製法の確立をめざし以下の研究を行なった。 1)塩基処理により精製ペプチドを遊離する新規biotin化試薬の開発 2)新規biotin化試薬のモデルペプチド合成への応用 また改良Avidin-biotin系アフィティークロマトグラフィーによる精製法を用いる合成のターゲットとしてデフェンシンに着目した。デフェンシン(29-34アミノ酸残基)は分子内に3本のジスルフィド結合を有し、抗菌、抗ウイルス作用を有する高等動物由来の生体防御ペプチドとして注目されている。改良Avidin-biotin系アフィティークロマトグラフィーを用いたデフェンシンの効率的合成法の確立の基礎研究として、本年度は先ず、従来の固相法を用い保護ペプチド鎖を構築した後、最終脱保護条件、ジスルフィド結合形成条件に検討を加え、デフェンシンを得ることに成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Funakoshi et al.: "Affinity purification method using a reversible biotinylating reagent for peptides synthesized by the solid-phase technique" Journal of Chromatography. 638. 21-27 (1993)
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[Publications] H.Nakashima et al: "Defensins inhibit HIV replication in vitro" AIDS. 7. 1129-1129 (1993)