1993 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科起源オレアネングルクロナイドの化学的分析ならびに薬効解析
Project/Area Number |
05671758
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
野原 稔弘 熊本大学, 薬学部, 教授 (30037600)
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Keywords | Pueraria lobata / Abrus cantoniensis / Abrisaponin / kudzusaponin / オレアネングルクロナイド / トリテルペノイドサポニン / 肝障害改善作用 / 葛根 / 鶏骨草 |
Research Abstract |
マメ科起源の重要生薬,葛根ならびに鶏骨草中に含有されるオレアネングルクロナイドの分離ならびに化学構造の解析を行った.葛根からは6種の新規配糖体kudzusaponin SA_<1-4>,C_<1.2>およびSB_1を得,それらの化学構造を決定した。これらの化合物は葛根の薬能の解熱,発汗作用を担うものと推測されるが,今後この問題に関しては証明実験を必要とする.また中国で用いられる粉葛根についても成分分析を行ったが葛根とはエキス量,オレアネングルクロナイドおよび芳香族化合物の量,いづれにおいても大きな差異がみられ,生薬の品質評価に有用となる結果が得られた。一方,鶏骨草についても同様の実験を行い,新たに5種のオレアネングルクロナイドを得た.同生薬の薬理作用については,先にオレアネングルクロナイドの粗エキスが肝障害改善作用を持つことを明らかにしているので,今回の成分解析は重要な意味を有している.これまでに葛花,金銭草,広豆根,苦参,沙苑子等の一連のマメ科生薬の成分検索を行ってきたが,その結果,[1]これらマメ科生薬には,普遍的にオレアネングルクロナイドが含有されること,ならびに,[2]これらのグルクロナイドが肝障害に有効であることが明らかにされた.
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