1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671765
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
浅田 善久 北里大学, 薬学部, 講師 (90118779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折原 裕 北里大学, 薬学部, 助手 (30137905)
広谷 正男 北里大学, 薬学部, 助手 (50050547)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
古谷 力 北里大学, 薬学部, 教授 (10050345)
|
Keywords | 生体触媒 / 変換反応 / 植物触媒 / グリチルレチン酸 / レジブフォゲニン |
Research Abstract |
薬用人参毛状根によるグリチルレチン酸の変換反応においては、3種の新規物質を含む計6種の変換物が得られ、3位水酸基の配糖化によるエーテル型配糖体の生成および30位カルボキシル基への配糖化によるエステル型配糖体の生成が確認された。特徴的な変換反応としてはマロニル化が進行し、マロニルグルコースおよびマロニルソホロースの配糖体が変換物とし得られた。変換物のうちエーテル型配糖体2種に甘草の甘味物質グリチルリチンと同程度の甘味を認めた。また、薬用人参毛状根を用いた生薬『センソ』の強心活性成分であるレジブフォゲニンの変換反応においては、当初期待した通り4種の新変換物が得られ、薬用人参毛状根は、ステロイド骨格に対して1betaおよび5beta位に立体選択的に水酸基を導入すると共に、3位水酸基に対してのみ配糖化反応を行った。この4種の変換物には、強心活性があると期待される。ウド培養細胞からは、2種のアントシアニンを単離・構造解析した。また、培養条件の化学的調節によりアントシアニンの高生産条件を見いだし、乾燥重量当たり、13%の含量を有する株の作出に成功した。さらに選択的変換反応を行う目的で、新たに培養細胞・器官系を約10系統確立し、これらを用いて、グリチルレチン酸、ステビオール等の変換反応を検討中である。一方、糖質分解酵素を用いた糖転移反応による強心配糖体の合成は、現時点では成功していない。現在、我々の用いている酵素では分子サイズの小さい化合物しか糖転移反応は成功していない。
|
-
[Publications] Yoshihisa Asada: "Biotransformation of 18beta-glycyrrhetinic acid by ginseng hairy root culture" Phytochemistry. 34. 1049-1052 (1993)
-
[Publications] 阪本一央: "ウド培養細胞の生産するアントシアニン色素の性質ならびに食品着色料への応用" 日本食品工業学会誌. 40. 647-655 (1993)
-
[Publications] Kazuo Sakamoto: "Effects of nutrients on anthocyanin production in cultured cellls of Aralia cordata" Phytochemistry. 33. 357-360 (1993)