1993 Fiscal Year Annual Research Report
1‐ハロアルキルスルホキシド類のリガンド交換反応を活用する新規合成反応の開拓
Project/Area Number |
05671771
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 毅 東京理科大学, 薬学部, 講師 (20089329)
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Keywords | イオウ / スルホキシド / リガンド交換 / カルバニオン / カルベノイド / カルボン酸 / アセチレン / ホモロゲーション |
Research Abstract |
スルホキシド基をアルキル金属等の求核剤と処理すると、低温下でも容易にスルホキシドのリガンド交換反応が起こり新しいカルバニオンが生成する事を見いだしている。この反応を1-ハロアルキルスルホキシドから合成した種々の化学物に適用すると、脱離反応やカルベノイドの生成が起こり、新しい合成反応が開発出来る。この目的に沿って平成5年度に以下の成果が得られた。 1 alpha-ハロ-alpha-スルフィニルカルボン酸、エステル、アミド及びアルデヒドのリガンド交換反応は容易にマグネシウムエノレートを生じ、この物とカルボニル化合物との反応で様々なカルボン酸誘導体およびalpha-ハロアルデヒド類の新しい合成法が確立され、この系統の一連の研究を締めくくる事が出来た(論文:Tetrahedron誌)。 2 スルホキシドとアルデヒドから高収率で合成したalpha-スルフィニルケトンよりエノールトリフレートに導いた後スルホキシドのリガンド交換反応に付すと、一気にアセチレン類が得られる反応を見いだした。この反応は更にアレン類合成の一般的合成法へと展開出来る可能性があり現在検討を加えている(論文:Chem.Lett.,誌)。 3 alpha-ハロ-alpha-スルフィニルケトン類を塩基処理するとalpha-スルフィニルケトン類が得られる反応を見いだしている。このカルベノイドの性質を明らかにし、当反応を使う一連の合成反応の研究を纏めることが出来た(論文:Bull.Chem.Soc.Jpn.,誌)。 4 その他不斉合成、カルボニル化合物の新規ホモロゲーションの開発、分子内反応、カルベノイド経由のアルキノール生成反応などに検討を加えているが、纏めて発表出来る段階には達していない。これらについては、引き続き鋭意検討して行く。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Satoh: "Generation of the alpha‐Sulfinyl Carbenoid from alpha‐Chloro Sulfoxide:A New Method for One‐Carbon Homologation‐‐" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 67. No.5or6 (1994)
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[Publications] T.Satoh: "A Novel Method for Synthesizing Acetylenes from Carbonyl Compounds through beta‐Trifluoromethane‐‐‐‐‐" Chem.Lett.,. No.3- (1994)
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[Publications] T.SAtoh: "A Novel Method for Generation of Magnesium Enolates and Its Application to Synthesis of alpha‐Halocarboxlic‐‐" Tetrahedron. 50. (1994)