1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671773
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森 裕二 名城大学, 薬学部, 助教授 (40121511)
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Keywords | 1,3-ポリオール / 絶対配置 / CD差スペクトル / アリルベンゾエート |
Research Abstract |
近年、機器分析技術の発達にともない生物活性を有する鎖状ポリオール化合物が単離構造決定されるようになったが、活性と密接に関連する絶対配置についてはほとんど未解明のまま残されている。特に鎖状1、3-ポリオール類は、不斉2級水酸基が不連続に配置されているために相対配置を決定することさえ難しい問題である。この問題を解決するために「相対配置を決めることなく絶対配置を決定する」という研究命題を設定し、その解法としてCD差スペクトル(DIF CD)法による1、3-ポリオールの直接的絶対配置決定法を開発することに成功した。すなわち、1、3-ポリオール(I)のすべての2級水酸基に発色団として機能するベンゾイル基を導入してヒドロキシベンゾエート(II)ととし、次に1級水酸基を脱水してアリルベンゾエート(III)に誘導する。IIIのCDコットン効果はすべての発色団の相互作用の総和として観測されるが、IIIとIIのCD差スペクトル(DIF CD)のコットン効果は末端アリルベンゾエート部分の励起子キラリティーと一致することを見出し、3位の絶対配置がDIF CDのコットン効果の符号によって、ポリオール鎖の長さや立体化学にかかわらず、一義的に決定できることを明らかにした。さらに、すべての不斉中心の絶対配置を決定するために効率的な反復型分解反応を考案し、DIF CD法と組み合わせることにより、長鎖1、3-ポリオールの一般的直接的絶対配置決定法を確立した。
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Research Products
(1 results)