1993 Fiscal Year Annual Research Report
beta位にヘテロ原子を有する不飽和エステル類のalpha及びgamma選択的不斉アルキル化反応の開発
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05671776
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
西出 喜代治 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10237711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 学 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60027076)
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Keywords | Tetronic Acid / (S)-2-Methoxymethylpyrrolidine / Alkhlation / (+)-Blastmycinone / (+)-1,1′-Binaphthol / Quaternary Carbon / (-)-Aphanorphine / (-)-Eptazocine |
Research Abstract |
1.alpha位の不斉アルキル化法:二環性ベンゾシクロアルカンカルボン酸(R)-2,2′-ビナフチルエステルのメチル化反応を用いてalpha位の四級不斉炭素の構築法を開発した。この基湿にもcomplex inducedproximity効果が観察され、収率は満足のいくものではなかったが92:8の高立体選択性が発現した。得られた主成績体の立体配置をRと決定すると共に、これを応用して3-benzaxepineアルカロイド(-)-Aphanorphineおよび麻薬拮抗性鎮痛薬(-)-Eptazocineの形式不斉全合成を完成した。この反応がHipposponginの部分構造である二環性フロシクロヘキサンカルボン酸にも適応できるものと期待し、その基質の合成法を確立した。この反応については今後の検討課題である。 gamma位の不斉アルキル化法:alpha-アルキル置換テトロン酸のgamma位不斉アルキル化法については、alpha位にアルキル置換基を導入すればbeta位に合成困難なC_2対称ピロリジン不斉補助基を用いなくてもconformerを1つに固定できることを低温NMRによって明らかにした。この知見をもとに次の(1),(2)の不斉合成を検討した。(1)(+)-Blastmycinone:beta位に入手容易な不斉補助基(S)-2-メトキシメチルピロリジンを導入しn-ブチルリチウムでアニオンを発生させてメチル化することにより91%収率、91:9の立体選択性で反応が進行し、主生成物をカラムクロマトグラフィーで容易に単離することができた(77%)。この成績体の立体選択的な化学変換を行なうことによりテトロン酸関連光学活性gamma-ラクトン類の代表である(+)-Blastmycinoneの短段階不斉全合成を達成した。(2)(+)-(3R,4R,5R)-4-Acetoxy-5-methyl-3-tetradecyltetrahydro-2(5H)-furanone:Great Barrier ReefのPlexaura flavaから単離された標記化合物は脂質代謝物質であるためalpha位にC_<14>の炭素鎖を有する。pi-Allylpalladium錯体を用いてテトロン酸alpha位にC_<14>ユニットを導入し、R体を用いる上記の手法を活用して標記化合物の初めての不斉全合成を達成した。 以上、alpha位およびgamma位の新規不斉アルキル化法の開発と4種類の天然物や医薬品の不斉合成を完成した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Nishide,A.Aramata,T.Kamanaka,M.Node: "ANEXPEDITIOUS TOTAL SYNTHESIS OF(+)-BLASTMYCINONE" HETEROCYCLES. 36. 2237-2240 (1993)