1993 Fiscal Year Annual Research Report
正常細胞およびガン細胞の交通におけるマクロファージの3型レクチンの役割
Project/Area Number |
05671813
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 康之 東京大学, 薬学部, 助手 (80160034)
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Keywords | マクロファージ / MMGL / レクチン / モノクロナル抗体 / リンパ節 / 交通 |
Research Abstract |
免疫細胞および癌細胞の交通におけるマクロファージレクチン(MMGL)の役割を調べる目的で,マウス組織内マクロファージにおけるMMGLの発現を生化学的・免疫組織学的方法で調べた。まず,MMGLに対するポリクロナル抗体およびラットモノクロナル抗体を作製した。特に,モノクロナル抗体では,可溶性リコンビナントMMGL(rML)に対する合成糖リガンド(ガラクトース・ポリリジン)の結合を阻止する抗体の取得に成功した。また,モノクロナル抗体は,マクロファージ表面のMMGLを検出できることを螢光抗体法により確認した。一方,発現ベクターに組込んだMMGLのcDNAをマウスT細胞株CTLL-2にトランスフェクトし,安定なトランスフェクタントの取得に成功した。イムノブロットによりMMGLタンパクの発現を,螢光抗体法により細胞表面での発現を確認した。 マウスの各臓器の抽出物を用いてイムノブロット法によりMMGLの存在を調べると,限られた臓器(心臓・骨格筋・リンパ節・胸腺・皮膚・肺等)にのみ強い発現が認められた。また,作製したモノクロナル抗体のうちの1つLOM-14を用いて免疫組織化学的検討を行うと組織内のマクロファージ全体に発現が見られるのではなく,一部の亜集団にのみ存在することが明らかとなった。マクロファージの多様性を見分けるマーカーの1つとなりうることが考えられる。また特に,リンパ節においては,辺縁洞・皮質洞・髄洞といった輸入性リンパ管から細胞が移動する際の通り路にMMGLを持つマクロファージが存在しており,移動して来た細胞と相互作用しうる位置を占めていることが判明した。
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Research Products
(1 results)