1993 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリパーゼA_2の触媒機構と阻害剤による阻害機構の解明
Project/Area Number |
05671853
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
池田 潔 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50001053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 忍 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (80218966)
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Keywords | ホスホリパーゼA_2 / 酵素阻害剤 / 基質アナログ / マノアライド / 触媒機能 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
PLA_2の可逆的な阻害剤であるカルボン酸アミド型基質アナログとI型およびII型に属する種々のPLA_2との結合におよぼすCa^<2+>とpHの影響を調べた結果,真の基質を用いた場合とは違った結果が得られた。これはカルボン酸アミド型基質アナログとPLA_2との結合において,基質アナログ分子中のアミド結合の水素原子がPLA_2の触媒基であるHis48のN-1位の窒素原子と水素結合するためであると考えられた。そこで次に,アミド結合の水素原子が存在しない基質アナログとして,オキサゾリジノン型基質アナログを合成し,同様の実験を行ったところ,真に基質を用いた場合とほぼ同様の結果が得られた。以上の結果から,カルボン酸アミド型基質アナログの場合とは異なり、オキサゾリジノン型基質アナログとPLA_2の結合様式は真の基質の場合とよく似ていることが示唆された。 一方、PLA_2の不可逆的な阻害剤であるマノアライドアナログによる種々のPLA_2の不活性化を調べた結果,I型に属するウシ膵臓PLA_2については酵素の界面認識部位に存在する56番目のLysが修飾されることを明らかにした。また,単分子分散状レシチンを基質に用いた場合,マノアライドアナログによって酵素活性が低下するPLA_2と低下しないPLA_2があった。前者(主にII型)は単分子分散状基質が相互作用するとされる69番目のアミノ酸残基がLysであるのに対し,後者(主にI型)はTyrであることから,この部分のLysも修飾されることが予想された。さらに,II型PLA_2については基質アナログによって触媒部位と界面認識部位を保護した後でさえ,マノアライドアナログによって修飾され,酵素活性が低下したことから,II型PLA_2では触媒部位や界面認識部位以外に存在するLysが修飾されても酵素活性が低下することが示唆された。
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Research Products
(1 results)