1995 Fiscal Year Annual Research Report
卒前教育における「医療管理学」の実践的教育技法の研究
Project/Area Number |
05671879
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
石川 澄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30168190)
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Keywords | 医学教育 / 卒前教育 / 医療管理学 / チュートリアルシステム |
Research Abstract |
【研究目的】医学生が、将来いかなる分野で活動するにせよ「合理的な医療の運営」ができる医師になるために、必要な基本的視野、知識、および判断能力を養う卒前教育の手法の確立をめざしている。【主眼】・ミクロ的視点の教育:---医療の応需、処方せん、診療記録の取扱、プライバシー保護とインフォームドコンセントの成立など医療者の持つべきコミュニケーション行動。・マクロ的視点の教育:---組織管理・情報管理を主題に、在宅医療、診療・看護連携、病院組織運営、医薬資材流通、施設間連携など医療資源の効率のよい運営をを認識する。【実践教育法の改良】従来、全体講義が主流であった方略を改め、臨床実習期間に5名1グループ、2グループ同時独立にフィールドワークを基にしたチュートリアルシステムでの学習法を工夫した。学生は、「2010年の理想病院の設計」という想定主題を与えられ、「病院長」「事務長」「看護婦長」「診療科長」「患者」「家族」などの立場に扮して延べ36時間の見学実習、企画、ロールプレイ演習を行った。学生は扮した役割の視点で附属病院の医療管理部門、公的診療所を拠点に、医療運営機構、在宅医療地域医療連携の実態を見学する。それを基に自分達が「理想とする病院」「理想的な地域医療体制」のありかたを、各種文献検索をおこないつつ検討する。さらに成果発表と「患者が企画した病院を受診する」という想定のシミュレーションを行い、企画の妥当性、実現性の評価、および医師の取るべき判断、決断についての具体行動態度についてグループ間討論を行う。【教育効果の評価】医療の運営管理に関する知識および視野が、実習・演習の前後にどの様な変化が生じたかを分析した。実習前のプレテストでは、学生の関心は病態の診断・治療が主体であり、社会システムとしての医療の視野に乏しかった。実習後に飛躍的に拡大し、教育効果が認められた。
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[Publications] 石川 澄: "公営診療所を拠点とするプライマリ・ケア実地教育の試行と評価に関する研究" 平成2・3・4年度科学研究費補助金(一般研究C)研究成果報告書. 1-17 (1993)
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[Publications] 石川 澄: "プライマリ・ケアを担当する医師の後継者育成のための背後要因の分析" 第16回日本プライマリ・ケア学会 プライマリ・ケア. 16. 121- (1993)
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[Publications] 石川 澄: "卒前教育における「医療管理学」の実践的教育技法に関する研究" 第26回日本医学教育学会総会 医学教育. Vol.25No.5. 288- (1994)
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[Publications] 石川 澄: "卒前教育における「医療管理学」の実践を重視した教育の研究" 病院管理. 31巻1号. 82-83 (1994)
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[Publications] 石川 澄: "Small group leaning Based Tutorial Systemの試行-卒前教育における「医療管理学」の実践教育技法に関する研究(第2報)" 第27回日本医学教育学会総会 医学教育. Vol.26No.5. 348- (1995)
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[Publications] 石川 澄: "医学部学生に対する「医療管理教育」に関する研究" 第33回日本病院管理学会学術総会 病院管理. Vol.32 Suppl.95- (1995)