1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドラジン遊離薬物の体内動態並びにその肝障害に及ぼすアスコルビン酸の影響
Project/Area Number |
05671899
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松木 洋子 徳島大学, 薬学部, 助手 (20035546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
際田 弘志 徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
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Keywords | ヒドラジン遊離薬物 / アスコルビン酸 / 体内動態 / フリーラジカル / 肝障害 / ESR / 肝機能評価 / アミノピリン |
Research Abstract |
ヒドラジン遊離薬物の体内動態におよぼすアスコルビン酸の影響:MAO阻害剤・イプロニアジドの単独あるいはアスコルビン酸併用の経口投与および静脈内投与を行い、イプロニアジドおよびその代謝物の血中濃度、尿中排泄量をGC-MSを使用して安定同位体を内部標準とする同位体希釈分析により測定し検討した。イスコルビン酸はアプロニアジドの吸収・代謝過程には影響をおよぼさず、排泄過程においてヒドラジン尿中排泄量の減少のみが認められた。 ヒドラジン遊離薬物からのフリーラジカル生成:ラット肝ミクロソーム・NADPH系において4-POBNをスピントラップ剤としてイプロニアジドおよびイソプロピルヒドラジンからのラジカル生成をESRにより測定した。酵素阻害実験からこれらのフリーラジカル生成はNADPH・電子伝達系に依存したシトクロームP-450酸化酵素系の関与が認められた。また、4-POBNラジカル付加物のCI-MS測定よりイプロニアジドおよびイソプロピルヒドラジン由来のラジカル種はいずれもイソプロピルラジカルと同定された。 アミノピリン(AM)のクリアランスによる肝機能の評価法の確立:肝障害モデル薬物である四塩化炭素あるいはシトクロームP-450誘導薬物であるフェノバルビタール(PB)を前投与したラットにアミノピリンを静脈内投与後アミノピリンの血中濃度推移を測定し、クリアランスを算出して、これを指標に肝機能を評価する方法を検討した。コントロールに比べてPB前処理によりAMの消失は著しく早くなり、クリアランスは4倍と明かな増大が認められ、四塩化炭素の場合には1/5と著しく減少し、AMのクリアランスは鋭敏に変化した。これらのことより本方法が肝機能の評価に利用できることを認めた。
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Research Products
(2 results)