1993 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性菌を検出するためのED-PCR法による遺伝子検出の検査室への応用。
Project/Area Number |
05671916
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉野谷 定美 東京大学, 医学部(病), 講師 (50010468)
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Keywords | ED-PCR法 / MRSA / mecA遺伝子 / MIC |
Research Abstract |
ED-PCR法は、まず溶菌をリゾスタフィンと溶菌液(MgCI2,KCI,proteinase K,Tween 20,buffer)にて行い、プライマー添加後PCR反応を行い、ストレプトアビジン固定化プレートに入れ、PNPP液にて発色させ405nmで測定した。この方法では、用いるプライマーをbiotinとdinitrophenylで2重標識しておく必要がある。プライマーとして、mecA遺伝子、femA遺伝子、femB遺伝子、TSST-1(tst)遺伝子を合成した。100株の黄色ブドウ球菌について、ED-PCR法の結果と、薬剤感受性試験結果(MIC-2000で接種しELISA ANALYZER ETY-96で判定したMICによりoxacillin >4 μg/mlを示した株をMRSAと判定した)を比較したところ、MRSAであった54株全てについて、mecA遺伝子陽性であった。その他のプライマーについては、MRSAでの陽性率が高いもののMSSAにおいても30〜59%で陽性株が存在した。一方、oxacillinでのMICではMSSAと判定された46菌株中5株がmecA遺伝子陽性を示した。これらはcefazolinやcefmetazoleのMICでは>8 μg/mlであり、本質的には多剤耐性菌であると考えられた。mecA遺伝子をプライマーとしたED-PCR法は簡便性、迅速性、正確性からみて従来のMICに代わって細菌検査の基本となる可能性のある検査法である。しかし、黄色ブドウ球菌以外の菌種についてもmecA遺伝子を検出し、薬剤耐性を調査してみる必要があると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsuchiya N.,et al: "Antibodies to human cytomegarovirus 65 kd Fc binding protein in rheumatoid arthritis." Autoimmunity. 15. 39-46 (1993)
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[Publications] Pinakova E,et al: "Detection of Chlamydia trachomatis from Cervical Specimens by Amplicor Chlamydia trachomatis Test." Journal of Association Rapid Method and Automation Microbiology.5(2). 109-114 (1993)
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[Publications] 小林寛伊、他: "Mupirocin鼻腔用軟膏のMRSAに対する除菌効果。" 環境感染. 8(2). 57-65 (1993)
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[Publications] 木村昭夫、他: "全国国立大学病院より分離された黄色ブドウ球菌のコアグラーゼ型別及びエンテロトキシン並びにToxic Shock Syndrome Toxin 1 産生性に関する疫学的研究。" 感染症学雑誌. 66(11). 1543-1549 (1992)
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[Publications] 小口淳、他: "カンジダ症検査薬カンジテックの値が臨床経過と乖離する3症例。" 帝京医学雑誌. 15(2). 173-182 (1992)
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[Publications] 笠場成一 他: "細菌検査の情報提供の現状。" 日本臨床微生物学雑誌. 1(1). 272-276 (1991)
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[Publications] 吉野谷定美: "臨床検査ガイド" 文光堂, 1027 (1993)
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[Publications] 仲村恒敬: "インターフェロン療法" メディカルビュー社, 167 (1993)